コットンスーツをアンコン仕立てで

アンコン仕立てのジャケットは、春夏シーズンになるとにわかに注目度が上がってしまうアイテム。難しい言い方をすればアンコンストラクティブ(無構築な)ということらしいのですが、肩パッドや芯地・付属をほとんど使わずに作ってあるジャケットの仕様。
このアンコン仕立てのジャケットは、秋冬シーズンのハリスツイードフラノなどにも用いられることがあるのですが、特にはコットンスーツリネンスーツとの相性が抜群に良いです。コットンの優れた吸湿性・通気性と軽く、裏地さえ付けない場合があるアンコン仕立てが、夏仕立てに向いているということから。
ジャケットの裏仕立てには、秋冬仕立てといわれる総裏仕立て、裏仕立て標準の背抜き仕立て、夏仕立てとなる半裏仕立てなど、その他にもいくつかありますが主なところはこの3つ。また、広見返しの裏仕立ては、コットンで用いると胴裏部分まで見返しを広く取るため、身体にコットンが直接ふれ、さらっとした肌触りが清涼感を増すのに役立ちます。
オーダースーツでも、アンコン仕立てというものがここ数年シルエットパターンとして普及しだしており、アンコンならオーダースーツでなくてもという気がしないでもないのですが、当然寸法指定などから、理想的なシルエットを構築できるオーダースーツ。この春夏シーズン、コットンスーツ+アンコン仕立ての組み合わせは見逃せないかも知れません。
オーダースーツ Pitty Savile Row