着用時のほうが涼しいリネンの気化熱効果

リネンで作られたスーツやジャケットなどが夏用の素材と言われるのには、リネンが秋冬用といわれる一般に厚手で目詰まりの良い生地に比べ薄手であるということのほか、その高い吸湿性を持つことによります。
もちろん、リネン素材着用時に暑い直射日光を防いでくれる、着るものが少なくなる夏シーズンに、物入れがわりにポケットのついた薄手リネンジャケットを着るという使い方も良く聞きます。
リネンスーツなどリネン素材にある吸湿性は、衣服内の湿気を外部に逃がす性質のことで、その際に生じる、いわゆる「気化熱を奪う」という作用が、リネン素材を身につけている着用者に涼しさを感じさせることになります。
この気化熱を奪うことで、涼しさを得ることは、古くから夏の昼下がりなど日常的に行われてきた、「打ち水」も同じ効果を狙ったもの。玄関や庭などに打ち水をし、その水分が蒸発するときに、周囲の熱を奪う気化熱が気温を下げてくれるもの。
また、「風呂上りには、急に体が冷えるから、風邪を引かないように・・」は、単純に風呂上りからの寒暖差に体がついていかないということよりも、身体についた水分が湯気となって蒸発することで、気化熱が奪われ体温が低下することを心配したもの。
リネン素材を着用することは、この気化熱を奪う作用を着ることで生じさせることになります。。

カテゴリー: 麻・リネンの特徴 パーマリンク