「ツイード生地」カテゴリーアーカイブ

ライトツイードのジャケットは長いシーズン着られる

夏にはサマーツイード、冬には目が詰まった織りで重めのツイードが注目される事が多い。
ライトツイードは生地1mあたりの目付けが約350gと、ツイード素材としては軽め。
ツイードの風合いはそのままで、重厚になり過ぎない、都会的で着用するツイードとしては良いバランスを保っている。
春秋冬と長いシーズン着用できるジャケット生地として人気です。
ツイード地は、その重さから敬遠される方もいらっしゃるようですが、ライトツイードであれば半コートやコートでもあまり重さを感じずに着用できる。
さらに、生地が軽めなので、お仕事用のスーツとしても、カジュアルジャケットとしても最適です。
ざっくりとしたジャケットと組み合わせるパンツ地としても、良い味を出してくれる。

ツイードジャケットの腰ポケットや胸ポケットを別生地で作る

ツイードで仕立てられたカントリージャケットで良く見られるデザインがエルボーパッチやガンパッチ。
元々は狩猟用のジャケットなので、銃を置く時のクッションとして考えられたデザインで、エクセーヌ等で作られる事が多いです。
ジャケットと同じ生地だったり、同じツイード生地でも異なる色柄の生地で作ったりとパターンは豊富。
さらに思い切って前身頃、後身頃、袖をそのような生地に取り替えても攻めたカジュアルお洒落を楽しめる事でしょう。
このような場合は生地分だけ生地代金が掛かってしまうのですが、
腰ポケットや胸ポケットなどをスエードや別のツイード生地で作ってワンポイントのお洒落になりますね。

ツイード地とお揃いの小物

10月になり、寒さが身に染みる季節になってきましたね。
衣替えが始まり秋冬物のジャケット、パンツ、コート、小物などタンスやクローゼットの雰囲気がガラリと変わるでしょう。
ツイード素材の小物なんかお洒落で暖かい、活躍するアイテムだと思います。
ハリスツイードならでは多種多様な色柄は、見ているだけで楽しくなりますし、ワンポイント使いにも最適です。
イヤーマフ何かは上品なツイード素材だから、子供っぽさがなくなり、大人の落ち着きが漂います。
帽子にもツイード素材、寒さが厳しい日には、その暖かい生地に有り難みを感じるでしょう。
小さなポーチなんかもおススメで記念日やお祝いなど、大切な人への贈り物としても喜ばれそうです。
スーツを仕立てた時の余った布程度で作る事が出来るので、色柄お揃いで統一感が出て、いっそうお洒落感が増しますね。

世界三大ツイードで仕立てる

一口にツイードと言っても、スーツ地同様に様々は色柄や重さがあります。
まず言わずとも知れたツイードの代表は、スコットランド産のハリスツイードですね。
古くから手織りで作業しており、布は暑く・ザックリとした生地。
あえて染める事が出来ない死毛や極端に短い毛が混ざる事で、野趣あふれる独特な風合いと自然な色合いが特徴です。
アイルランド北西部のドニゴール州産のドネガルツイードも、有名なツイードですね。
カラーネップが用いられる為に、あちこちに色んな色の斑点が出ます
三つ目はスコットランド北方に生息するシェットランド種の羊毛から織られた、シェットランドツイードです。
寒暖差により細い毛と粗い毛が混ざったふんわりとしていて軽い感じがする生地です。
一口にツイードと言っても、産地によって色んな特徴があるのです。
本当に色んな生地があって迷ってしまうと思いますが、そこが楽しみでもありますよね。
定番のヘリンボーンやタータンチェック、ピンヘッドチェックなどなど
冬には欠かせないツイード生地で暖かく、そしてお洒落に外出を楽しんではいかがでしょうか

サマーツイードで仕立てる春夏ジャケット。

ツイードは春夏シーズンのものばかりでもなく、イタリア服地で有名なカノニコには、定番のサマーツイードがあります。このサマーツイードは、バスケット織りとか、ホップサックツイードとか言われるざっくりとした織りがされており、見た目にも涼しげで、通気も良いので春夏シーズンに羽織る感じのジャケットにはとてもおすすめ。
ネイビーやグレーのビジネスに適した色柄のもので仕立てられたジャケットなら、クールビズといわれるようなパンツでいることが多いシーズンにも便利で、使い回しの効くアイテムです。
ホップサックツイードといわれる理由は、その昔ビールの原料とされるホップを運搬するのに使用されていた麻袋の織りが、このバスケット調だったため、そのままツイード服地の名前とされています。
ビジネスに向いたネイビー、グレーには濃淡の各種、そのほかオレンジやグリーンなどというカラフルな色柄での展開も人気で、白色ジャケットなど夏にはまぶしいほどな鮮やかさ。ボトムスにはどんな色、素材のものを合わせても爽やかで涼しげです。
凹凸感のある生地表面は、夏らしく、秋冬シーズンには少ない金属的な光沢感が涼しげなのと、ざっくり織り感があるのは、薄地なためのシワの心配を軽減してくれます。

長持ちするハリスツイードジャケット

どちらかと言えば昔のように丈夫さや耐久性よりも、そのクラシックで素朴なファッション感覚と、着ていて暖かな防寒着として人気が高く、ツイードジャケットならハリスツイードとお選びいただくことが多いツイード服地だと思うのですが、丈夫にするために堅い毛質の羊毛を選んで織られ、その加工の過程においても、外衣としての工夫をされたハリスツイードは、やはりその耐久性の高さから、長持ちする素材。
長い間ご愛用いただく間に、体型の変化から寸法調整の必要があったり、またエルボーパッチを後付けしてみたり、ポケットを切りポケットからアウトポケットに変更してみたりなど、デザイン変更もしたくなります。
トラッドスーツとハリスツイードを代表とするツイード服地との相性も良く、根強い人気のあるアメリカントラディショナルモデル、アイビースーツも現代仕様に少しずつ形を変化させてはいるものの、流行を問わないもの同士。
オーダースーツ店としては、耐久素材というよりは、ジャケットのシルエット、デザイン重視な街着的トップスのひとつとしてご愛用いただきたいツイードジャケットですが、高い耐久性を持つということは、同じ3年としてもより良い状態でご着用いただくことができるということになります。

ツイードスーツを山歩きなどアウトドアスポーツ用に

昔はいまのように丈夫なハイテク素材といわれるような便利なものがなかったので、すべて基本は天然素材。ウールやコットン、シルク、リネンなどの混紡の割合を変えたり、厚み、織り方を変えたりなどのほか、縮絨といわれる生地の組織を密にしたり、地厚にする、目付けを増やす目的に行われる加工を施し、自分が理想とする服地を作り上げるしか方法がありません。
ハリスツイードやドネガルツイードをはじめ、ツイードの多くが本来作業用、防寒目的で作られた、アウトドア向きな服地なため、その生地表面は硬く、その硬さを得るために必須のツイード川の軟水が豊富に得られる、ツイード川流域で、多くのツイード服地の産地が起こったともいえます。
カントリーツイードのなかでも、ひときわその丈夫さに定評があり、ハードな山歩きの際にも植物のとげさえ寄せつけない打ち込みの強さで守ってくれる、「ソーンプルーフ」は、カントリーマンには必須のアイテム。「ソーンプルーフ」はポーター&ハーディングという1947年にカントリースポーツ好きなジョン・ポーターとビル・ハーディングの2人によって創業されたカントリーツイードを得意とする英国のマーチャント。
本来の重めな目付けのソーンプルーフのほか、街着に適した軽めのラインもあります。

ドニゴールツイード、英国製エイブラハム・ムーン

毛織物の製織でも歴史のある英国のなかでも、常に名門の老舗として名を上げられるエイブラハム・ムーン(Abraham Moon&Sons)が創業したのは1837年と古く、ウール製品を中心に製造をしています。
この秋冬シーズンには、Pitty Savile Rowでも、このエイブラハム・ムーン社のツイード生地を厳選5柄新入荷させていただいております。ハリスツイードやマギー社のドネガルツイードに比べると、1平方メートルあたりの重さを基準とする目付けが400~480g程度なのに対して、350g~375gと軽く、優しい織り上がりとなっているので、より街着としてのツイードジャケットとして、また、小柄な女性向きや、ツイードジャケットのざっくりした野趣ある仕上がり感にやわらかさが欲しいオーダージャケットにおススメ。ヘリンボーンの巾も1.1cm程度と細めなため、ツイードの仕上がり感をプラスしたレディースジャケットには好相性と付け加えさせていただきます。。
ツイードといえば、ハリスツイードがまず一番の代名詞。つぎに来るのはやはりドネガルツイード(ドニゴールツイード)でしょうか。このドネガルツイードの語源ともなったドネガル川は川の水が軟水であることから、ツイード製織後の仕上げに使われる際、硬めの生地とするのにとても適していることから。

ホーランド&シェリーのツイード

ホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)は170年以上にわたり、最高品質のオーダー服地を提供してくれる英国の老舗マーチャント。その扱い生地はとても幅広く、夏にはリネン100%の生地となるSouth Pacific Pure Linenが、とても人気。
また、これからの秋冬シーズンには、ハリスツイードを独自にセレクトして収集した、ハリスツイードカタログをはじめ、ざっくした織り感と野趣ある風合いのツイード生地も数多いラインナップがありますが、なかでも明るめな色柄が多いシェリーツイードは、目を引かれるものが多く、目付けも310~350g程度と、ハリスツイードやドネガルツイードよりも軽めなため、明るく軽快な色合い、都会的センスの色柄等から、ハリスツイード等のツイード生地とは、また着用シーズンを変えた楽しみ方をできるのではと思います。。
オレンジやダークレッド、定番のネイビーやグレーはもちろんですが、ライトブルーなど、1トーン明るめなミックス織り。深い色表現を可能としています。ホームスパンに見られる色ネップも鮮やかな色が多く、かといってヘリンボーンやガンクラブチェック等定番中の定番のクラシックパターンも好みを探すことができる、64柄のシェリーツイードは、秋冬シーズン見逃せない、一押し、関心度の高いツイード服地。

ハリスツイードなど輸入生地価格と消費増税

今年、平成26年4月よりの消費増税に加え、ハリスツイードなど輸入生地価格が、若干の値上がり。商社のユーロ外貨建て取引の影響らしいのですが、あまり難しいことはわかりません。秋冬シーズンに人気のこのハリスツイードやドネガルツイードの生地価格にもその影響は明らかに出ており、少々の生地価格なら同じお仕立て上り価格で・・という、自分の懐具合はまったく無視し、向こう見ずな太っ腹の姿勢を常に見せるオーダースーツ店・店主ですが、今回ばかりは・・。
とにかく消費税の5→8%、この差額3%というのが悩ましいですね。8月中旬の今頃というと、夏の終わりから秋口にかけてご着用になる春夏スーツ、なかでも若干生地目付けが重め、目詰まりの良いオールシーズン向けな生地となるのですが、ハリスツイードは生地の知名度もあり、人気も高い服地なので、どうせ仕立てるなら、長いシーズンを着たいのはどなたも考えることらしく、早めにご案内しておけば・・というところです。。
今年の生地柄の中で目立つのは、タータンチェックと言われる、イギリス伝統の織り柄の中でも、明るめな発色の良いもの。あまり素人向けではなさそうですが、ベストなんかにするといいのかも・・と思ってしまう生地ですね。
あとは、もうこれははずせない定番中の定番な、ヘリンボーンやガンクラブチェック。手始めにまず1着持つなら、このオーソドックスな色柄がおススメ。