年別アーカイブ: 2018年

英国を象徴とするタータンチェックのあれこれ

秋冬用カジュアルジャケットやお洒落な防寒着として人気の高いツイードジャケット。
中でもイギリスで生まれたタータンチェック柄は世界中の人々を魅了しています。
スコットランドのクラン族が身につけた家紋のようなもので、行事や戦などで自分達であると認識する為だった。
300ほどクランがあって、それぞれ全て色や柄が違いそれぞれ名前も違っています。
ブキャナンやスチュアートといったような。
最も有名であり想像しやすいのはロイヤル・タータン(ロイヤル・スチュアート)ではないでしょうか。
赤を基調とし紺のチェック柄が入っていて、クランではなく王室のタータンです。
そしてミリタリー・タータン(アーム・タータン)も同様に有名で、最も知名度が高いのは黑と緑がベースとなっているブラック・ウォッチでしょうか。
いろんなタータンがあるので是非、自分好みを見つけてほしい!

スコットランドの島で生まれた毛織物

数年前からカジュアルジャケットの生地として日本でもブームにもなったハリスツイードはスコットランド生まれ。
大手ファッションの量販店なんかとコラボレーションして話題にもなりましたよね。
大きな四角の生地ネームをどこかで見た方がいる人もいるでしょうか?
スコットランドといってもハリス&ルイス島で生産されていて、品質の高さを国が保護しています。
ハリスツイードの生産過程を収めた映像『The Big Cloth』がなかなか興味深いモノとなっています。
機会があれば是非みてほしい映像作品となっています。
タータンチェックやガンクラブチェックなど英国っぽい柄は見ているだけでファッション好奇心が高まってきますよね

ツイードの王道といえばハリスツイード

ツイード素材を生産しているブランドはたくさんありますが、なかでもハリスツイードは品質がよく知名度も高い。
それもそのはず、ハリスツイードは世界で唯一国の法律で保護されている生地なのです。
スコットランドの特定の場所で飼育された羊の毛のみを使用し、さらに毛の選別も手作業で行っています。
なかでもヘリンボーンは定番の意地で、大人の落ち着きを演出してくれます。
タータンやグレンといったチェック柄も人気となっている。
「ツイードラン」の画像はコーディネートの参考にするのにはもってこい。
帽子を被っている人も見かけますが、スリーピースに共生地のハンチングなんて相当お洒落さんですよね。
クラッシクな自転車にハリスツイードのスーツ+共生地の帽子、想像しただけでウキウキしてきます。

デニムやジーンズと相性がいいツイードジャケット

ついこの間まで最高気温を記録したといった話題がニュースになっていたと思ったら、もう秋の陽気に変わってきましたね。
もう肌寒い時間が長くなりました。
衣替えをしていく際に、秋冬のコーディネートを考えますよね?
私のオススメはツイードジャケットです。
ツイードとは、短い羊毛で太く粗い糸で織られた防寒性の高い生地のことです。
ハリスツイードが1番王道でしょうか。
中でもグレーのヘリンボン(杉綾織)が定番で毎シーズンあってデニムやジーンズのようなカジュアルに着こなすのがお洒落ですよね。
ガングラブチェックやタータンチェックなど海外文化や歴史を感じられる色柄が豊富。
眺めているだけでも楽しくなってくる、そんなハリスツイードのサンプルブックがありますよ。

スコットランドの上流階級の普段着

秋冬のジャケットとして定番となってきたツイード素材はスコットランドの生まれて、上流階級の普段着として愛されていました。
その後、婦人服に取り入れられると一気に世界的なブームとなりました。
ココ・シャネルがデザインしたツイードのスーツが社会で活躍する女性たちの心を掴んだのです。
約100年前には岩手県に伝えられ、本場でもなかなか見られなくなった技法で大切に生産しています。
ツイード素材のジャケットを着用したことがある方は体験あると思いますが
はじめ袖を通した時には硬さがあって着にくさを感じることがあります。
しかしそれはツイードが丈夫であり、子供の代まで着用できて、着込むことで体に馴染み、味でもあるんです。
カシミヤのコートやフランネル・サキソニーのスーツといったように
秋冬には欠かせない素材でありますし、コーディネートに幅を持たせることは間違いありません。

ツイード素材に付いてる毛玉のようなもの

ハリスツイードで仕立てたスーツやジャケットやスラックスを見てみると毛玉?と思うような繊維が集まっている箇所があると思います。
それはネップと呼ばれ、糸同士が絡んで不規則に出来たものです。
大きなものから小さいもの、目立っているものやそうでないものもありますが、それがツイード素材も素朴で自然な味わいを醸し出しています。
ツイード素材で仕立てる際にはスリーピースがオススメです。
暖かさを存分に感じることが出来ますしまたジーンズに合わせるカジュアルジャケットとして、ジレパンとして、それぞれ単体で使ってもかなり存在感のあるアイテムですのでお洒落度がUP!
定番のヘリンボンからタータンチェック、ガンクラブチェック、無地は20色ほど。
この秋冬の防寒着はツイードで仕立てたスリーピースを有効に活用しましょう。

ハリスツイードに味わい深さを足すケンプ

一般的には死毛と呼ばれていて、生地表面のなかに白髪のように見えるケンプ(死毛)。
これが素朴な風合いを与え自然な色合いな仕上がりへ一役買っている。
ホームスパンならでは。
一本一本が割と硬い毛なので触れるとごわつきますが、それが丈夫さを生み出す要因にもなっています。
軍服のコートなどにも積極的に使われていた時代もあり、クラシカルで実用的な生地には欠かせないモノな気がします。
染色しても染まらないため色は白で、黒やチャコールグレーや紺色の無地系統ではこれが目立っているので分かりやすいでしょう。
逆にサキソニーやチェビオットツイードはこのケンプが厳しく禁止されている。
どちらも良さがあるのは間違いない。

経年劣化さえ愉しめるツイード素材のジャケット

ハリスツイードやシェリーツイードで作られるツイードジャケットの原型は
英国紳士達が狩りや乗馬や釣りなどのスポーツをより良く楽しむ為に身にまとっていたアウターであり、英国貴族のスポーツウェアなのです。
アクティブに激しいスポーツでも擦れたり少々荒い扱いをしても、ビクともしないような丈夫さ。
10年、20年着たハリスツイードは経年劣化に伴い新品とは異なる深い味わいや風合いが出てきます。
またビンテージハリスなるモノがあり、これは適度に油分が抜けた状態のハリスツイードで、少しパサついた感触があります。
通常、生地原毛には油分が多く残っているのですが、年月を掛けて徐々に抜けていくのです。
独特の素材感となって、マニアには堪らない。

5歳から糸紡ぎを、伝統的なハリスツイード生産

ハリスツイードは「ハリスツイード・オーソリティー」が品質管理を行い、紡績と仕上げをする工場が3社り、そして自宅で職人さんが織っています。
このような仕組みでハリスツイードは生産されています。
スコットランドでは糸を紡ぐ人と、その糸を買って織る人は別で分業体制。
しかし産業革命が起こり紡績工程が誰でも出来るようになったので、紡ぎ職人は失業してしまった。
機械化の流れが押し寄せましたが、伝統的な製法は保持し続け、高品質を守り続けている。
品質が保たれているのは国がしっかり管理しているからで、ハリスツイード庁・ハリスツイードミル・ハリスツイードウィーバーズ協会・ハリスツイード産業連絡会といった機関が設置され厳しくチェックしている。
どんな伝統製品にも共通していることではありますが、ハリスツイードもまた若者織工の育成も積極的に行っている。