夏を前にリネンジャケットの裏仕立てを考える

まだ、2月の肌寒い季節からリネンジャケットの心配など笑われてしまいそうですが、今どきの2月はクールビズというオーダースーツ店からはあまりうれしくないものの影響から、オーダースーツ事情は一変。その昔衣類関係の2、8。つまり、「ニッパチ」という閑散期は、関係なくなってしまいました。2月にはその後着用する春夏スーツや、秋冬スーツのセール価格のものを、そのまま引っ張って5月6月まで着用するという着方が一般的になっているため、なかなかオーダースーツ的にも需要がある時期なんです。
そのため、本来は盛夏用、真夏用の服地といったイメージのあるリネンジャケットやスーツのスタートも早く、どうせなら今年の夏はリネンでオーダーとお考えの方からのお問い合わせも、もう2月といわず、年を越したあたりから増え始めてきました。
オーダーで仕立てるリネンジャケットやスーツには、できるだけ涼しくというお考えや、リネンジャケットでもできるだけ長い期間着たいなど、ご着用のご用向きやお考えはさまざま。リネンジャケットだからといえども、秋冬用アイテムに合わせることが多い総裏仕立てという裏仕立てでお仕立ていただくことも。この総裏仕立てが夏用なのに対して、より涼しくというお仕立て方には、半裏仕立てという裏地をより少なく仕立てる方法や、広見返し、大見返しといわれる、胴裏をほとんどつけない裏仕立ての仕方などは、素材そのものが呼吸する吸湿効果、通気性をもつリネンにはおススメできる裏仕立てカスタマイズです。

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