安すぎたリネンジャケット

リネン・麻といっても多くの種類があります。衣服用に用いられるものだけでも、一般にリネンと言われる亜麻(リネン)と芋麻(ラミー)。亜麻の繊維には短い・柔らかい・細いという特徴があり、同じ衣類用の麻でも、芋麻(ラミー)には、長い・太い・硬いという性質があります。この芋麻の硬い性質は、天然繊維の中で最も強いものといわれています。
仕上がり感は、これら繊維の性質を反映し、亜麻(リネン)には、ソフトでしなやか、芋麻(ラミー)にはシャリ感がありコシがあり、ジャケットやスーツとした時のその風合いもまた素材から楽しめるのがリネン・オーダージャケットの良いところかも知れません。
リネンというだけで夏限定のぜいたくなイメージがあり、いわゆる衣料品店の店頭などに定価¥3000のリネンジャケット。値段には驚きますが、そのデザインは決して悪いものではなく、ジャケットの腰ポケットに付けられたフタの形も、少し細めの巾とされており、全体にタイトフィットなシルエットも、在庫整理の目玉商品とは思えません。
手にとってみて、少しうなずけたのがそのリネン生地の硬さ・・というところでしょうか。ハリとかコシという種類のものではなく、バリバリ感のあるもの。色も良く、価格も手ごろなこの麻は、おそらく麻縄や工事材料とされることもある、マニラ麻やサイザル麻などを用い、丁寧に作られたものなのでは・・という印象のもの。
中高生の頃に着ていた麻は、こんな感触のものであったことを思い出しました。

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