リネンスーツをアルパカ裏地でビスポークする

リネンを使って仕立てるスーツだからといって、裏地を特に盛夏用のものに限らなくてはならないということではないのですが、せっかくなら開放感のある裏地を使ってみたいと思う。プレタスーツだと、いくら値段が高価なものでも裏地まで好みのものを選ぶことはできないですが、これがオーダースーツで仕立てるリネンスーツなら裏地も選ぶことができる。
いろいろ考えてみたところ、今はあまり見かけなくなったアルパカ裏地はどうだろう。このアルパカという動物は、南米ペルーの高地に住む山羊の一種で、以前はそのすべりの良さから高級裏地とされていたのであるが、現在のポリエステル裏地やキュプラ裏地に比べると、このアルパカ裏地。決して滑りは良くないし、着心地が良いとはいえないものだった記憶がある。結局、まだ化繊としてのポリエステル裏地や、コットンから再生繊維として作られるキュプラ裏地などの品質が悪く、耐久性に問題もあったころの裏地であるということらしい。
リネンの天然素材に対して、獣毛アルパカを用いた、若干クラシックで不自由を楽しむ夏のジャケットというのも粋な気がするのである。普通に選ぶのならキュプラがいいかも知れないね。キュプラは、吸湿性にすぐれているし、耐久性も抜群、ただ、水分には弱いのでドライクリーニングが必須というのも、ジャケットの裏地として用いるには問題にはならない。

オーダースーツ Pitty Savile Row

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