麻にはいくつかの種類があり、オーダーで仕立てられるリネンスーツ、リネンジャケット、リネンパンツに用いられるリネンはこの麻の1種類である亜麻(リネン)で作られたもの。麻には亜麻(リネン)のほか、苧麻(ちょま・ラミー)やサイザル麻、黄麻(ジュート)、マニラ麻、ニュージーランド麻など多くの種類があるが、主に衣料用として使われているのは、亜麻(リネン)と苧麻(ラミー)の2種類のみ。
麻は染色が難しく、合繊などでその風合いなどが再現されるようになってからは、サイザル麻、黄麻、マニラ麻などは、敷物、ロープほか資材用に用いられることが多い。
リネンスーツ、リネンジャケット、リネンパンツなど衣服に最も多く用いられている亜麻(リネン)は、西洋の麻とも言われているもので、その性質は繊維が細く強い、若干黄味がかった薄い茶色。夏用の衣類としての快適さの条件となる吸水性、放湿性、発散性に優れているため、そのソフトで柔らかな風合いは清涼感がある。この亜麻は原料段階のものをフレックス、製品となったものをリネンと呼び区別される。
リネンほどではないが、夏用ジャケットなどに用いられることがある苧麻(ラミー)は、イラクサ科の多年草で、自生もし栽培もされるもので、茎の皮の繊維から麻布が作られる。苧麻で作られた製品名には、越後縮、薩摩上布などが上げられる。