リネン繊維で作られたリネンスーツなどには多くのすぐれた点がありますが、長期にご着用いただくなかで、体型の変化や意匠的な部分で、若干の修正を加えたいような場合、その調整には注意が必要な場合があります。
リネンという素材は、その優れた吸湿性と通気性から夏、とくに盛夏には必須のアイテム。その生地は丈夫で、洗えば洗うほど柔らかくなり肌に優しいという性質を持ち、また雑菌の繁殖を抑える清潔感のある点でも、湿気が多く菌が繁殖しやすい梅雨から盛夏にかけて、また衣服を離れればキッチン回りに用いられる素材としても便利です。
反面、そのリネンで仕立てたジャケットやリネンパンツの使い始めを考えると、一般にはそのリネン生地にはのりを含んでおり、シワになりやすいと必ずいわれるその生地質からもわかるように、伸縮性には乏しい素材。
例えば、袖丈詰めの場合、袖切羽の位置変更が必要な場合や、ジャケット胴回り、パンツウエスト、ワタリ巾(モモ巾)など伸ばす場合に見えるミシン目のあとなど。新調後まだまもない製品の場合には、ほぼ目立たなくなりますが、時間が経過してしまっている場合や、特にパンツの裾丈を伸ばす場合などには、裾が擦れてキズになり汚れてしまった折り目等が簡単なプレスではとれず、汚れた折り目線が目立つというようなことになりがちです。
仕方ないといえば、それまでなリネン素材の性質ですが、良い品ほど丁寧に長く愛用したいものだと思います。。
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