汗ばむ夏を清潔に保つリネン・麻

リネンは、リネンスーツなど衣服として用いられるほか、生活のさまざまなシーンに登場する天然素材。シーツ、枕カバー、パジャマなどホームリネンとして使われたり、テーブルクロス、ナプキンなどに代表されるテーブルリネンとしての用途など我々の生活に密着しています。
人がリネン素材を使い始めておよそ1万年、グルジアではおよそ3万年前に使用された麻糸が見つかっているそうです。
リネンはコットンやシルクなど天然素材の中で、もっとも汚れを落としやすく、繰り返しの洗濯に強い耐久性をもつ素材のため、洗えば洗うほど白さが増し、柔らかさも増加します。
リネンスーツなど衣服として用いられる場合にも、この肌さわりが使うごとに良くなることは、より愛着のわく元となることだと思いますが、テーブルリネンなど食生活を営む上では、必要条件です。

このようにリネンが人の生活に多くの快適さをもたらしてくれるのは、その優れた性質によるもの。よく知られた吸湿性と発散性のほか、リネン・麻は、カビが増殖することを防ぐ防カビ性、とくに春夏シーズンなど気温の上昇とともに心配となる雑菌の繁殖を抑えてくれる性質をもつため、リネンジャケットリネンパンツなどの衣服として用いる場合にも、天然のデオドラント効果が期待できます。

オーダースーツ Pitty Savile Row

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麻・リネンの吸湿性と発散性

麻、リネンは単純に涼しいから夏を快適に過ごすことができる素材と考えてしまいがちなところがありますが、それにはそれだけの理由があります。
まず、この夏に涼しく過ごせるという麻・リネンの大きな特徴となっているものが、その吸湿性と放湿性の高いこと。吸湿性はリネンスーツなどとして着用しているときに、汗や水分をすばやく吸い取り、そしてかつ発散してくれるという性質。この吸湿性・発散性は麻・リネンだけの特徴ではありませんが、同様に夏向き素材とされるコットンやシルクよりも優れているため、リネン・麻素材は、常に肌の表面をさらっと爽やかにしてくれるという清涼感を与えてくれます。
リネンパンツなどとした場合には、とくに肌への密着度が高いためにそのリネン・麻素材の吸湿性・放湿性の恩恵を大きく受けることになります。
リネンは古代エジプトでは、Woven Moonlight(月光で織られた生地)と呼ばれ神聖な神事などにも広く用いられていた素材。
ペクチンが含まれているリネン繊維のために、リネンで作られたリネンジャケットやリネンパンツは、直接肌にふれてもチクチク感がなく、やさしくソフトな肌触り。
また、あまり知られていないことですが、コットンと同じように、中空の繊維構造をもっているために、繊維の中に含まれている空気がほどよく寒暖の調節をしてくれ、冬には暖かく衣服内を保ってくれるという特徴も併せもっています。

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ゆったりめにはきたい麻・リネンパンツ

麻・リネンの素材が暑い夏を快適に過ごすために優れた素材といわれるのは、その通気性と湿気を逃がしてくれる放湿性という繊維の特徴のため。この麻・リネンの夏向きな特徴をより生かすためには、やはりパンツ・スラックスのシルエットを考えたときには、若干のゆるみ量を加えるのが理想的。
現在パンツは、スーツ全体を含めてタイトすぎる傾向があるので、せっかくのリネンパンツも肌にはりついたピタピタパンツではその涼しさも半減してしまいそうです。
市販されているビジネスパンツはやはりタイトとするためにタックのないノータックパンツ。カジュアルにも履くことが多いリネンパンツですが、推奨されるクールビズのお仕事現場では素材がリネン・麻でもテーラードなスラックスなら許されます。
見た目重視ならタイトにはきたいところですが、履き心地重視ならタックをせめて1本入れたワンタックパンツというのも、クールビズの目的にはより合ったシルエットだと思います。
※タックを入れるとそのタック量分パンツのモモ巾(ワタリ巾)は太くする必要があります。
また、パンツのタックはウエストとヒップ差の大きい人が、麻・リネンなどの生地を身体に上手にそわせるために入れるという目的もあるものなので、誰かれ、体型も構わずすべての人がノータックパンツというのも問題ありです。

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麻にはいくつかの種類があり、オーダーで仕立てられるリネンスーツリネンジャケットリネンパンツに用いられるリネンはこの麻の1種類である亜麻(リネン)で作られたもの。麻には亜麻(リネン)のほか、苧麻(ちょま・ラミー)やサイザル麻、黄麻(ジュート)、マニラ麻、ニュージーランド麻など多くの種類があるが、主に衣料用として使われているのは、亜麻(リネン)と苧麻(ラミー)の2種類のみ。
麻は染色が難しく、合繊などでその風合いなどが再現されるようになってからは、サイザル麻、黄麻、マニラ麻などは、敷物、ロープほか資材用に用いられることが多い。

リネンスーツ、リネンジャケット、リネンパンツなど衣服に最も多く用いられている亜麻(リネン)は、西洋の麻とも言われているもので、その性質は繊維が細く強い、若干黄味がかった薄い茶色。夏用の衣類としての快適さの条件となる吸水性、放湿性、発散性に優れているため、そのソフトで柔らかな風合いは清涼感がある。この亜麻は原料段階のものをフレックス、製品となったものをリネンと呼び区別される。

リネンほどではないが、夏用ジャケットなどに用いられることがある苧麻(ラミー)は、イラクサ科の多年草で、自生もし栽培もされるもので、茎の皮の繊維から麻布が作られる。苧麻で作られた製品名には、越後縮、薩摩上布などが上げられる。

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