リネンブレンドで仕立てるスーツ

近頃では、リネン繊維をまったく使っていなくても、リネンの風合いを出すことができるハイテク素材などもあり、便利にリネンの風合いを楽しむこともできますが、やはり盛夏用に涼しく過ごす素材は、見た目ももちろんですが、リネン100%にこだわる方が多いのも間違いありません。なんとなく、混じりけなしの麻100%で仕立てたオーダースーツやオーダージャケット、ビジネス用カジュアル用を問わず、リネンパンツも気分が良いものです。
ただ、その反面リネンは多くの優れた特質を持つ素材ですが、繊維が硬いためシワになりやすく回復力が弱いというところから、気になる方は、リネンに他の繊維を混紡することで、また違った風合いや、不足する点を補うなどに役立ちます。。
たとえば、リネンと混紡されることが多いウールは、クリンプを持つことでしなやかで弾力のある繊維のため、リネンに適度のハリとコシを与えてくれ、シワにも強い素材としてくれます。春夏用に用いられることが多い、コットンとブレンドすることでは、リネンに、独特の風合いをもたらすことができ、またリネン・コットン・ウールの3種類全ての素材を用いてブレンドされる素材などもあり、どの素材をどれだけの分量で混紡するかによっても、風合い、シワへの耐久度が異なり、スーツ、ジャケット、スラックスなど各オーダーアイテムを仕立てる際の目安とします。

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ネイビー色のリネン生地、お探し顛末

ここ数シーズンのリネン生地の品切れ状況を見てみると、当店だけのデータというより店長の記憶からの感想なので、どこまで正しいかははっきりとは言えませんが、リネン・麻といえば、それはベージュやオフホワイトなど、生成りな麻そのものの天然の色をいうもので、まず、リネンジャケット、リネンスーツ、リネンスラックスといえば、これ以外にはないとまで言えるほど。
ところが、クールビズ傾向なお仕事場環境の影響からか、ダーク調素材の色好みのトレンドか、3~4年前から黒無地のリネン素材がとても人気、そこから今年、去年あたりからは、とにかくネイビーリネンの売れ行きがとても好調で、まず品切れてしまいます。
当店では、サイトから生地の在庫確認もしていただくことができることから、品切れ表示が出ているネイビー生地でも、「スラックス分だけでも余っていないか?」「今シーズンの追加仕入れは?」などのお問い合わせをいただくことも多いです。。
そうなると問屋在庫から、若干仕入れ値は高くても、同じ生地を扱っているメーカーに問い合わせをするなど、頑張るのですが、やはりネイビー人気は高いものと見え、残念ながらのご報告をするしかありません。
メーカーも、売れ行きを予想して作ったり、仕入れたりするのですが、その予想をはるかに上回るネイビーリネンの人気ということですね。。

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2014年のリネンジャケット

毎日、朝の情報番組を見ているのですが、今年はクールビズと言わないですね。5月からというのがクールビズらしいですが、去年あたりまでは、このクールビズ開始時期になると、決まって「シャツだけでは風邪を引いてしまいそうです・・、少し肌寒いクールビズのはじまりです・・」など、コメントを聞くことから始まりましたが、今年はその会話さえ今のところなく、ボーナスなど大幅アップなど景気の良さそうなお話もあり、特にジャケットを目の敵にする必要もなくなっているのかも知れません。。
今年2014年のリネンジャケットは、ここ4~5年は、夏の定番リネンともいえる、イタリア服地アンジェリコのリネンが毎年10色程度、ホーランド&シェリーのSouth Pacific Pure Linenは、若干厚地で点数も多く50柄程度の中からお選びいただけます。
今年新入荷・新掲載のアイリッシュ・リネン、メルソレアは、ジャケット価格¥43000に、本水牛ボタンも無料サービスとなっており、なかなか人気が出そうな予感ですね。。個人的には、、「メル=ビーチ」「ソル=太陽」「エア=空気」に由来する、「メルソレア」という名前に、魅力を感じてしまいます。アイリッシュリネンということから、生地の厚みは比較的しっかりしており、また重めのリネン服地。オーソドックスな黒、紺にお仕事用に最適なグレーもあり、またヘリンボーン柄の数種というのも、選ぶのに迷ってしまうところです。。

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太陽のにおいのするリネン、メルソレア

今年はエルニーニョ現象の影響ということで、5年ぶりの冷夏予想が出てますね。オーダースーツ店的には、とても朗報で、こういったお話が5月6月に出てくると、やはりスラックスだけで生活するよりは、一枚なにか羽織るものが必要ということにお客様の考えは向くのではないかと期待してしまいます。
英国の老舗服地マーチャント、ハリソンズ オブ エジンバラのリネン服地、メルソレアは、「メル=ビーチ」「ソル=太陽」「エア=空気」という夏らしい用語を由来とする造語なのですが、これからの日本の夏シーズンにもぴったりな、太陽のにおいのするリネン服地。
いわゆる高級リネンの代名詞ともされるアイリッシュリネンのため、目付けは比較的重めでしっかりめ。リネンは間違いなく夏イメージの服地ですが、これだけしっかりとした生地なら、1年の半分程度は着用できそうです。
無地系を中心に、あとはヘリンボーン柄でしょうか。無地も色柄も、天然素材リネン独特の風合いを楽しめます。アンジェリコリネンなどイタリア製リネンには服地ブランドのテイストや、イタリア服地そのものがもつ発色の良さや、薄手生地という特徴があり、ジャケット、スーツを仕立てる際にリネン生地を選ぶ際のひとつの目安。クールビズの傾向もあり、リネンも薄いばかりというよりは、メルソレアなどアイリッシュリネン系のしっかりめの服地のほうが、近頃向きのような気もします。

オーダースーツ Pitty Savile Row
http://www.order-suits.com/

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ネイビージャケットをリネンで

ブレザーというだけで、アイビー的で、とてもプレッピーな雰囲気を感じてしまうことができてしまいますが、その色がネイビーとなると、その様子は更に高まります。
その昔、店頭で仕事用にも着ることができ、ロッカーに吊るしておけば、いろいろなシーンに対応できるアイテムとして、おススメすることが多かったネイビージャケット。現在では、会社のドレスコードなどの変化とともに、簡単に紺ブレ一枚では厳しくなっているのが現状だと思いますが、それでも、夏の暑さを見た目でも涼しげに見せてくれる、ネイビーのジャケットに白色のコットンパンツや、ブルー×白の組合せなどのコードレーンパンツなど、往年のコーディネートは今でも根強い人気。
シーズンによって素材を使い分けるとなると、春夏シーズンならコットンやリネン、特に盛夏用にはリネンジャケットを忘れてはいけません。夏にジャケットなどとお考えの方もいるかと思うのですが、物入れやファッションアイテム、コーディネートのひとつとしてシーズンを問わず、ジャケットを着る私としては、その暑さが気にならないどころか、リネンという優れた吸湿効果をもつ素材のおかげで、日差しの強いときには、直射日光を避ける日除けにもなり、衣服内の温度と外気を調節してくれ、おしゃれ気分も満足させてくれる。なにより、夏にきっちりとした清潔感を表現できるという、ネイビージャケット。このアイテムを夏に実現させてくれるリネン・麻という天然素材に感謝しなくては。

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重い目付けのアイリッシュリネン

目付けと言われる生地の1メートル当たりや、1平方メートル当たりの重さを表す単位はスーツやジャケットを仕立てる際の目安として欠かすことができないものになります。
単純に、この目付けが重いからその生地が厚いのかというと、必ずしもそういう訳ではなく、細糸で目が詰まっていたりすると、薄く見えても思いの外、生地の重さはあったり、厚手かと思っても、織りが粗いために、目付けは軽いということもよくあることです。
日本で手に入るリネン生地の中でやはり好まれるのは、イタリア製のものやアイルランド産のいわゆるアイリッシュリネンと言われるもの。その生産される風土・気候により、またその製織技術の傾向によっても、織り上げられるリネン生地にはその特徴が表れます。
傾向としては、イタリア製は比較的薄く、アイリッシュリネンは、重めの目付けというところでしょうか。
リネンには繊維そのものに、抗菌作用があるため清潔、着心地感も良く、盛夏用のイメージが強いですが、この厚地のリネン生地を用いたオーダーアイテムなら、目付け450グラムもあるものなら、4月に入ればもう着用することができ、暑い時期にはその優れた吸湿性と発汗性を活かした薄手の麻スーツやジャケットなど、1年の半分ほどを、リネン製のアイテムで楽しむことができるというものです。

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リネンスーツ、デビューの1着目にするなら

リネンのスーツやジャケットなどというと、南米の麻薬カルテルのマフィアか、夏のリゾートで避暑する裕福な紳士をイメージしてしまいがちなところがありますが、本来リネンというものは、人の生活にとって、コットンなどと同様とても身近なもの。
いわゆるこういった上質リネンと言われるものは、繊維が長く滑らかで着用感も良いものとなるのですが、中には工事用などにも用いられる麻だってあったりします。
我々庶民が、身に付けるリネンジャケットやスーツは、それほど上質なものを求めることは難しくとも、近頃のクールビズといわれるような傾向から、さて素材を薄手のウールから、天然素材、となれば、まず筆頭に上げられるのがリネンやコットンということになります。それに加えてちょっとおしゃれさんには、これらリネンやコットン、ウール、シルクなどを絶妙な具合で配分して混織し、独特の風合いを楽しんだりするのでしょうが、暑いからリネンという単純発想の自分にとっては、そんな難しいコーディネート術は、今後にまかせることにしましょう。
私がリネンスーツのデビュー1作目として予定しているリネンは、もちろん無地ですが、グレーの上下スーツ。リネンのイメージカラーともいうべき、ベージュや、ビジネスには向いているといわれる、ネイビーや黒から、グレーのリネンって珍しいのでは・・という、個人の少ない知識から選んでみました。

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ミニチェックのリネンベスト

ミニチェックのリネンベスト

ミニチェックのリネンベスト


リネンのスーツでスリーピーススーツというオーダーがこの春先に多かったのは、やはりお仕事用スーツで多く使われるウール服地で仕立てる、英国調スーツの影響があるという印象が強いです。実は、春先のみでなく、夏になってもベストはジレパンという形で関心の高さをあらわし、ベストはスーツの下に着用する中衣、スーツのブイゾーンからのぞくだけのレイヤード的差し色アイテムから、充分主役の座をまかされるだけの存在感を示すようになりました。
いわゆるベスト中心のファッション構成というもので、ハリスツイードのような目付けも重い服地で作るツイードベストというのもその代表例ですね。
シャツだけで過ごすなんとなく寂しい感じ、もちろん暑いのはいやですが、それでも多少はファッションアイテムとしての衣服をいろんな意味で活用したいとき、ベストというところに行き当たり、そして夏シーズンには麻で仕立てたベストを忘れるわけにはいきません。去年の春夏シーズンには千鳥格子(ハウンドトゥース)が流行したということで、ベストに限らず、スーツ、スリーピーススーツのオーダーも多くいただいた年でしたが、この春夏シーズンにはミニチェックがトレンド。せっかくリネンで作るのなら、タテ・ヨコとも明るめカラフルな色使いのものが、もう少し暑くなると欲しくなるジレパン用アイテムとしておススメです。
お隣の黒のリネンベストも、素材がリネンというだけで充分な存在感を発揮してくれそうですね。。

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リネンのほうがコットンよりも高い?

コットンは、人が身につける衣類用素材の中でもっとも多く使われている天然素材。小学生のブリーフや半袖肌着にまで使われている、なじみ深いもののため、オーダーでコットンスーツやジャケット、パンツを作るというと、イメージしづらいものがあるかも知れません。コットンは安価で庶民の衣類用の素材。そのコットンも、繊維の長いものは光沢があり肌触りもなめらか。高級コットンの代名詞的な、シーアイランドコットン(海島綿)やエジプシャンコットンなどは、オーダーなどで仕立てたら10万15万は、スーツお仕立て上がり価格とされていても珍しくありません。
リネンは、リネン100%・・というだけで、もう高級服地の仲間入りをしたような気がしてしまいます。やはり、麻・リネンというと、着用時期が盛夏に限られてしまうため、ぜいたく品と考えられているのかも知れませんが、クールビズをはじめ、スーツもカジュアル化がすすんでいる現在では、春夏シーズンを迎えると同時に、リネンへの関心度は高まっており、価格も5万円を切る程度でスーツとしてのお仕立て上がり価格、麻ジャケットなら4万円以下でのお仕立てが可です。近頃ではリネンも色数がとても豊富になり、オレンジやライトブルー、パープル、織り柄も千鳥など、薄手生地が得意なイタリア製リネンは、とにかく軽く、日本の気候には最適。リネンでも春先の早い時期から着たい場合には、ホーランド&シェリーや、アイリッシュリネンなど英国製リネンが目付けも重く、しっかりとした仕立て上がりのリネンスーツやジャケットが仕上がります。

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夏を前にリネンジャケットの裏仕立てを考える

まだ、2月の肌寒い季節からリネンジャケットの心配など笑われてしまいそうですが、今どきの2月はクールビズというオーダースーツ店からはあまりうれしくないものの影響から、オーダースーツ事情は一変。その昔衣類関係の2、8。つまり、「ニッパチ」という閑散期は、関係なくなってしまいました。2月にはその後着用する春夏スーツや、秋冬スーツのセール価格のものを、そのまま引っ張って5月6月まで着用するという着方が一般的になっているため、なかなかオーダースーツ的にも需要がある時期なんです。
そのため、本来は盛夏用、真夏用の服地といったイメージのあるリネンジャケットやスーツのスタートも早く、どうせなら今年の夏はリネンでオーダーとお考えの方からのお問い合わせも、もう2月といわず、年を越したあたりから増え始めてきました。
オーダーで仕立てるリネンジャケットやスーツには、できるだけ涼しくというお考えや、リネンジャケットでもできるだけ長い期間着たいなど、ご着用のご用向きやお考えはさまざま。リネンジャケットだからといえども、秋冬用アイテムに合わせることが多い総裏仕立てという裏仕立てでお仕立ていただくことも。この総裏仕立てが夏用なのに対して、より涼しくというお仕立て方には、半裏仕立てという裏地をより少なく仕立てる方法や、広見返し、大見返しといわれる、胴裏をほとんどつけない裏仕立ての仕方などは、素材そのものが呼吸する吸湿効果、通気性をもつリネンにはおススメできる裏仕立てカスタマイズです。

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