カジュアル衣服用の素材ばかりでなく、ビジネスーツにも伸縮性を加えたハイテク素材というものを見るようになってからもう10年以上たつ気がします。衣服用の服地をストレッチ性のある素材で作るメリットは、ジャケットやスラックスに、伸び縮みする機能が加わることで、運動性能が増し、着心地が良くなり、伸縮性があるためにシワになりづらくまた同様の理由から、シワになってしまった際の回復力にも優れているという便利さがあります。
春夏シーズンになると、オーダースーツ店でも急に注目を集め始めるコットンスーツやコットンジャケット、少しぜいたくさはありますが、豊富な色の中から選べるコットンで仕立てるパンツというのも、クールビズというお仕事場環境が定着してきてからは、ご注文をいただく機会も増えてきました。
このコットンは元来、その繊維の硬さから、シワになりやすいとイメージされ、伸縮性はないと考えられている天然素材。このコットンにストレッチ性を持たせるためには、いわゆるポリウレタンやスパンデックスといわれる伸縮性のある繊維を混紡することになります。これら伸縮性繊維そのものの伸縮率はゴムのように500%もあるため、ほんの数%含ませることで、驚きの着心地の良さ。コットン素材の常識が覆ってしまいます。