月別アーカイブ: 2014年3月

ジャケパンスタイルに欠かせないコットンアイテム

コットンジャケットやコットンパンツという本来上下一揃いのものをスーツと呼ぶのに対して、異なる色柄素材で仕立てて着ることを「ジャケパン」といいます。いわゆる「替え上着」「替えパンツ」という考え方は、古くからあり、適度に装ったカジュアル定番という着こなし方。平たく言えば、上品に休日を過ごす服装とでもいうのでしょうか。
ジャケットとパンツを別素材で着ればジャケパンスタイルなのですが、お仕事用で着る場合には、ドレスコードは緩くなってきたとはいえ、やはりそこは日本人のマジメさでしょうか。特にクールビズなどできるだけ涼しく、快適に仕事をすることを目的とする場合、好まれるコットン素材も、ビビッドカラーやカラフルなものは敬遠され、ネイビー、ブラック、グレー、せいぜいがコットンジャケットやパンツでは見慣れたベージュ止まりです。
個人的には、こういったクールビズ、ジャケパンスタイルなどスーツのカジュアル化に拍車がかかったのは、ネット環境が正しく整備されてきたからに他ならないと思いますね。
いわゆるネットがらみでお仕事環境が変化し、実際に出かけなければならなかったのが、メール一本で済んでしまうようになり、室外に出ることが少なく、パソコンの前で仕事が完結してしまうことが多いお仕事では、よりコットンの肌触りの良さや快適な天然素材が好まれるようになってきたのは当然のことかも知れません。

コットンストレッチはシワになりづらく着心地が良い

カジュアル衣服用の素材ばかりでなく、ビジネスーツにも伸縮性を加えたハイテク素材というものを見るようになってからもう10年以上たつ気がします。衣服用の服地をストレッチ性のある素材で作るメリットは、ジャケットやスラックスに、伸び縮みする機能が加わることで、運動性能が増し、着心地が良くなり、伸縮性があるためにシワになりづらくまた同様の理由から、シワになってしまった際の回復力にも優れているという便利さがあります。
春夏シーズンになると、オーダースーツ店でも急に注目を集め始めるコットンスーツやコットンジャケット、少しぜいたくさはありますが、豊富な色の中から選べるコットンで仕立てるパンツというのも、クールビズというお仕事場環境が定着してきてからは、ご注文をいただく機会も増えてきました。
このコットンは元来、その繊維の硬さから、シワになりやすいとイメージされ、伸縮性はないと考えられている天然素材。このコットンにストレッチ性を持たせるためには、いわゆるポリウレタンやスパンデックスといわれる伸縮性のある繊維を混紡することになります。これら伸縮性繊維そのものの伸縮率はゴムのように500%もあるため、ほんの数%含ませることで、驚きの着心地の良さ。コットン素材の常識が覆ってしまいます。