オーダースーツの店員をしているとたまにお店屋さんの特権のように良い生地を先に入手できるようなときがあり、それは有名無名を問わず、無名なら生地価格も抑えられておりよりうれしいことになります。
カバート織りがされる生地はコットンばかりではなく、スーツやコート用の生地にも多く見かけるものですが、コットンを素材として使いカバート織りで製織されたものは特別にカバート織りと言われています。単純にカバートと言われることもありますし、カバートクロス、カバートコーティングも同意。
カバートとはウィップコード(鞭・縄)のことになるので、コットンカバートは鞭や縄のような比較的はっきりとしたラインが綾織りとして生地表面にあらわれているコットン生地のことになります。このはっきりめについた畝のために、コットンでもシワが目立ちづらく、これは今回の生地色なのですが、濃いめのブルーが少しグレーがかったような、とても深い色をしており、商売よりもまず自分で1着仕立ててみたいと思えるコットン生地で、春夏用のコットン生地ではありますが、若干の毛羽立ち感もオールシーズン的に着たいと考えていたためのコットン生地としては、理想的。数シーズン傾向のある、鮮烈なというか、きれの良いきれいな明るめブルーからは少し外れた色具合なのですが、これはまたこれで良いという好みなコットン生地です。