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ストレッチ素材コットンにおけるポリウレタン混紡の役割

ストレッチ素材のコットンにはポリウレタンと呼ばれる伸縮性に優れた素材が数%が混紡されています。
見た目が変わる事もなく、生地に伸びが出来ますから体にフィットして着心地がいい。
シワも付きにくく、取れやすい。
得意分野があれば、苦手分野もあります。
このポリウレタンは他の繊維に比べると経年劣化が早いのです。
一生モノにならないポリウレタン製品ですが、しかし綿100%では実現できない着用感は忘れてはいけないポイントです。
こういったポリウレタンが数%混紡された生地で作られたストレッチコットンは大変人気があります。
自分で素材感を守る方法として「洗濯やアイロンを控えめに」という事です。
水にも熱にも弱いので、必ず当て布することをオススメしています。

世界三大コットンの名を覚えよう!

日常に溢れかえっているコットンですが、その中でも上質なモノを世界三大コットンと呼んでいます。
アメリカのアリゾナ州のスーピマコットン・エジプトのギザコットン・中国の新彊綿です。
それぞれ特徴があり、
スーピマ綿は他の長繊維綿よりも強く、普通のコットンよりも40%くらい強度が高く、色を吸収しやすい。
ギザ綿は位置づけ的にはスーピマよりも上になっています。
繊維が均質で、強度がとても強いながらも油分が多く含まれているので柔らかさも持っています。
新彊綿、こちらも繊維が長く、そしてなめらかで光沢があります。
上記以外にもコットンの種類はさまざまあって、海島綿(シーアイランドコットン)やスビンコットンなどがあります。
一口にコットンや綿と言っても、それぞれ個性があって面白い。

アメリカでのコットン管理システムとは

アメリカはコットン素材の元となる綿花の世界最大の輸出国であり、日本に輸入される半分はアメリカ産のモノとなっています。
南部の温暖な地域が主な17の州にまたがるコットンベルトと呼ばれているところで綿花は栽培されています。
アメリカンコットンの特徴は機会によって栽培収穫を行っているので、安定した品質の綿花を安く提供できるわけです。
こうして栽培された綿花は農務省が検査して、繊維の長さ・太さ・強さをチェックする為に、PBIタグと呼ばれる識別する番号を付けられます。
どの綿花がどこで栽培されたものなのか追跡することが可能になっています。
タグで管理されたコットンかどうかを見分けられるのは「COTTON USA」マークです。
しっかり検査されたアメリカンコットンが50%以上使用している製品だけ付けられています。
アメリカンでのコットンはこのように管理されているのです。

スーピマはなんと1%未満なのです

ピマとはアメリカ大陸の先住民である「ピマ族」の綿を意味しています。
そしてそのピマ綿の中でも、アメリカの協会が品質を保証したスーペリア ピマと呼び、略してスーピマとなっています。
アメリカ東西部で採れたピマコットン100%であれば。スーピマの名称を使ってよいことになっている。
綿の流通でスーピマは約1%と言われていて、それだけ価値のあるコットンであることがわかります。
日本ではスーピマ協会から13の紡績会社がライセンスを取得しているそうです。
ちなみにコットンは繊維が長いほうが高級とされていて、その代表がスーピマコットン。
細く長いその繊維長は3cm~4cmで、絹のような光沢としなやかさが特徴となっています。

5月10日は「コットンの日」だった!

日本には様々な祝日や○○の日のような記念日がありますが、
昨日は5(こ)10(テン)の語呂合わせと種まきの時期が重なるということで「コットンの日」になっています。
ご存知でしたか?
なんと綿は紀元前5000年ころにメキシコで綿花栽培の痕跡が見つかっていて、日本では江戸時代に栽培が始まったようです。
最近では「東北コットンプロジェクト」によって、
津波被害で稲作が出来なくなった土地に綿花を植えて、畑の塩分濃度を下げて農業を再開させようとする動きがありましたね。
詳しく説明しますと、津波の海水によって土壌の塩分濃度が上がりました。
土壌中の塩分を水に溶かして排水する作業を行う必要があるのですが、施設が破壊されてしまっているため、この活動も出来ないところが多い。
そこで農業再生の目標に向かい、耐塩性の高い綿花を栽培し、復活を目指そうとなったのです。
東北コットンを使った製品を買うことが、支援になります。