コットンが夏に涼しく冬暖かい理由

春夏の衣服素材として高いイメージのあるコットンは、その代表的な性質としてシルクや麻などと同じく、高い吸湿性があるため。コットンの綿繊維はとても繊細なものなので、多くの水分を吸い取ることができます。そのため、コットンの内側と外側に温度差・湿度差が生じたとき、この水分を外側に発散させようとする性質が、気化熱を奪い、衣服の中に涼しさをもたらしてくれます。
気化熱の原理は、夏の暑いときに打ち水をすると、その水が蒸発するときに気化熱が奪われ、涼しさを感じられるのと同じしくみになります。
この逆にコットンの冬の暖かさは、コットン繊維の構造が中心部が空洞となる中空構造をしていること、また、コットン繊維にある天然の撚りのために、多くの空気を繊維内に含むことができ、この空気量の多さが熱伝導率を下げ、暖かさを衣服内にとどめ、逃がさない効果を生んでいます。このコットン繊維内の空気量は、コットン生地表面を毛羽立たせることで、より多くの空気を含ませることができ、秋冬、オールシーズン向きなコットン素材となります。
このように春夏のみならず、オールシーズン的にご着用いただくことができるコットン素材。夏に向けてはコットンパンツとして、オールシーズン的にはコットンジャケットを加えたジャケット+パンツの構成で、染色性の高いコットンカラーは、いろいろな楽しみ方ができる天然素材。

オーダースーツ Pitty Savile Row