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ジャケパンスタイルに欠かせないコットンアイテム

コットンジャケットやコットンパンツという本来上下一揃いのものをスーツと呼ぶのに対して、異なる色柄素材で仕立てて着ることを「ジャケパン」といいます。いわゆる「替え上着」「替えパンツ」という考え方は、古くからあり、適度に装ったカジュアル定番という着こなし方。平たく言えば、上品に休日を過ごす服装とでもいうのでしょうか。
ジャケットとパンツを別素材で着ればジャケパンスタイルなのですが、お仕事用で着る場合には、ドレスコードは緩くなってきたとはいえ、やはりそこは日本人のマジメさでしょうか。特にクールビズなどできるだけ涼しく、快適に仕事をすることを目的とする場合、好まれるコットン素材も、ビビッドカラーやカラフルなものは敬遠され、ネイビー、ブラック、グレー、せいぜいがコットンジャケットやパンツでは見慣れたベージュ止まりです。
個人的には、こういったクールビズ、ジャケパンスタイルなどスーツのカジュアル化に拍車がかかったのは、ネット環境が正しく整備されてきたからに他ならないと思いますね。
いわゆるネットがらみでお仕事環境が変化し、実際に出かけなければならなかったのが、メール一本で済んでしまうようになり、室外に出ることが少なく、パソコンの前で仕事が完結してしまうことが多いお仕事では、よりコットンの肌触りの良さや快適な天然素材が好まれるようになってきたのは当然のことかも知れません。

L.L.Beanで買ったコットン製ハーフコート

まだ、若い頃給料にも余裕が出てくると、数よりも少し良いものが欲しくなる時がある。そんな時に出会ったのが、このL.L.Beanというブランドのフロントスクエアカットのなんというんでしょう、ハーフコートともいうアウタージャケット。色は明るいネイビーで、裏地にも凝っており、柄は忘れてしまったが、ベージュにペイズリーのような茶系の柄が点在していたもののような記憶がある。
衿は茶系のコーデュロイで切り替えられており、なかなかおしゃれなやつだった。しかし、自宅で洗ってしまったためか、けっこうボロになったのが早く、以降は、寒い夜に近所のタバコ自動販売機に出かける際のみに着用する、一時的寒さしのぎのための外套に成り下がってしまったもの。
その頃このコットンジャケットは1万5千円程度もして、個人的にはずいぶん奮発したのですが、それほど名前があるブランドとは知らなかった。衿裏にあるタグの名前を覚えており、あるときファッション雑誌に見た同じ名前のそのアウトドア用の衣服なども扱うそのブランドがあったときに、気が付きました。
素材費が安いためだろうか、若者ファッションにはこのコットン素材は欠かせない。コットンパンツを筆頭に、アンコンのコットンジャケットも用途が広いです。
いくら愛着のある衣服でも、最後はボロとなって、庭の片隅や倉庫で荷物の下敷きになっていたりするのを見るのは、なかなか悲しいことですね。

コットンジャケットの肩線で注意すること

コットンのように伸縮性が少ない生地で仕立てられたコットンジャケットを着用時、肩の後ろのあたりにでやすい体型的な不具合が、「突きじわ」というものです。
コットンでもポリウレタンやスパンデックスなど伸縮性のある繊維を混紡した素材で織られたものなら、こういった「突きじわ」も軽減されることがありますが、ゆとり量を少なくとる近年のタイトフィットなジャケットのシルエットでは、着用者の体型的不具合が顕著に出がちになってしまいます。
ジャケットを仕立てるのに用いられた生地の特性、伸縮性のあるなしに関わらず、アルマーニのデザインから起こったバブル期のソフトスーツや、着やすく実用的なシルエットとなるアメリカントラディショナルモデルのスーツなどは、肩巾なども広めでまわり寸法もゆったりしているために、個人の体型的特徴はでづらいです。
標準体で作られているレディーメイドのコットンスーツ、ジャケットでは避けがたいこの体型的補正は、オーダージャケットでは比較的簡単な部類の調整に入ります。
原因は、ジャケットの肩線と着用者の肩線があっていないためのもので、いわゆる着用者が怒り肩という体型をしているためのもの。オーダージャケットの場合には、肩線に沿った怒り肩補正というものをすることになりますが、レディーメイドのジャケットなどでは、肩パットの厚みを調整するなどして対応することになります。

コットンジャケットにつけるカラークロス

コットンジャケットを含め、テーラードで仕立てられるスーツ、ジャケットコートなどには標準ではカラークロス(衿クロス)というものが、上衿の裏側に付けられます。このカラークロスは、衿腰をなじませるために衿裏に用いられ、フラノなどの素材でできたスーツの付属。
多くのデザイン的なオプションを用意させていただくことができるコットンのオーダースーツでも、このカラークロスをご指定いただくことは少なく、一般にはおまかせいただく釦やステッチ色、裏地色などと同様、スーツ表生地に合わせた色のものが縫製職人によって選ばれて付けられます。。カラークロスは衿腰をなじませるために付けられるという本来の目的と、通常見える部分ではないという理由から、その色種類は少なく、どの縫製工場でもスーツ基本色となるブルー系、グレー系、茶系、黒程度。
このカラークロスに色柄等選びたい場合には、取り寄せのほか一部縫製でのみ数種類のベロア調の色数、無地・格子などの中から選べるオプションがあるのでおススメです。
コットンジャケットのようなすっきりとしたソリッドな生地には、衿裏のアクセントが引き立ちます。
また、スーツをご注文いただく方の中には、スーツ表生地で作られる上衿と同じ生地を裏衿にも使用する「衿裏共生地」というご指定をいただく方もいらっしゃいます。これは秋冬の衿を立てて着たいハリスツイードドネガルツイードなど厚地な半コート的ジャケットなどのアイテムに多いもの。

オーダースーツ Pitty Savile Row

コットンジャケットの作り方

コットンは夏用のスーツとしても、ビジネスの現場でご利用者が増えています。なにもお仕事をしている人のすべてが、ウール地のグレーやネイビーのスーツに、ネクタイを締めきっちりと白無地系のドレスシャツを着て、黒の革靴を履きということではありません。クリエイティブなとか、自営業でちょっと気軽な営業、あまりひと目にふれない仕事なので、通勤等にカジュアル素材を選び、その素材は夏はコットン、冬はツイードなどといった具合です。
夏に涼しいコットンジャケットなら、その作り方にも工夫をしたいところ。裏地を半裏仕立てという背抜き+前身の半分程度を削った仕立てにしたり、裏地そのものを極薄の裏地、メッシュ裏地とするなど方法はさまざま。
中でも見た目とその涼しさに効果的なものに、広見返しというものがあるのですが、これは裏地が肩あたりに付くのみで、仕立て方によっては袖裏さえ付けないという方法です。裏地がなくて、見返しを広くとっただけの特殊な仕立て方のため、コットンジャケットとしての仕上がりは軽く、また、通気性・吸湿性に優れたコットンを裏地部分にも用いることで、その天然の涼しい感覚が楽しめます。裏地等を省くので軽く羽織る感覚で着用できるのも広見返しで仕立てる魅力のひとつ。
ビジネス用のコットンジャケットには、オーソドックスなベージュ系やネイビー、ブラックなど落ち着いた色のスーツ、ジャケットが好まれています。伸縮性のあるストレッチコットンもいいです。

オーダースーツ Pitty Savile Row