ジャケパンやジャケスラといわれるものは、素材はコットンに限ったものではありませんが、それぞれ独立したコットンジャケットにコットンパンツを組み合わせるもの。これがコーディネートということなのですが、クールビズ傾向のお仕事スーツの事情もあって、使われる素材や色柄は、昔にくらべずいぶん使える範囲が広くなってきました。
コットンなどは、丈夫で春夏シーズンを中心に、暖冬傾向の秋冬シーズンにまでかけて長くご着用いただくことができる素材のため、特にネイビー、グレー、定番色となるベージュなどは、ビジネス用も含めご利用範囲の広いアイテム。
きっちり過ごしたい平日昼間のお仕事には、濃い目のネイビーやグレーの生地、場合によってはベストまで共生地で仕立てたスリーピーススーツとして。また、ネイビーコットン、グレーコットンの三つ揃えスーツが1着ずつあれば、それぞれのアイテムの組合せを替えたコーディネートで、着こなしの巾が広がります。
1点のみチェックやヘリンボーンなど、特徴的な色柄のベストやスラックスを加えることで、そのコーディネートのパターンはさらに多くのものに。現在6月に入り梅雨シーズンとなっているのですが、こんな時期にはジャケットをはずして、ベスト+パンツという組み合わせも、タテの線がすっきり、スマートに見えておススメです。。
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ビジネスで着るネイビーコットンスーツ
コットン=必ず春夏向け素材という考え方は、そろそろ捨てたほうがいいのかも知れません。さすがに秋冬用とはコットンにあるイメージからは言いがたいですが、目付けも300g程度としっかりあるコットン生地はオールシーズンタイプのコットンとして、オーダースーツ店の店頭でも人気があります。
春夏には涼しく、秋冬には暖かく衣服内を保ってくれるコットンなので、比較的暖かめな秋冬が多い近年では、カジュアル感があり着心地も良く、丈夫なコットンの需要というものは増えてきて当然かも知れませんね。
ウール地に変えてビジネスで着るコットンスーツなら色はネイビー。清潔感がありますし、お仕事上まじめな感じを出すのには、最適な色。また、同じくビジネススーツに多いグレー系よりも、コットン素材についてはより多くの生地ブランドで展開しているのがネイビー色というところもあるかも知れません。グレイのコットン生地というのは、案外珍しいのですが、クールビズを含め、コットンがビジネス仕様としてより浸透することで、今後増えてくる色とは言えるかも知れません。
クールビズといっても、実際にジャケットが不要となるのは7月下旬から8月、そして9月初旬程度まで。少しジャケットを羽織りたいときには、ネイビージャケット、ネイビーで上下揃いのスーツというのが、手元に1着あるとお仕事上便利かも知れません。。
オーダースーツ Pitty Savile Row
http://www.order-suits.com/
コットン素材を両面使い、リバーシブルコットン
ジニョーネという比較的新しいイタリアのファブリックメーカーに、コットンで織られたそれぞれ異なる2枚の生地を、リバーシブルという両面使い用とした、少し変わった生地を見つけました。素材もコットンということで、織り柄はファンシーなものが多く、グレンチェックはハウンドトゥースやストライプ柄なども、それぞれの柄を構成する色はカラフルなもの。2枚の織り柄のコットン生地を、表裏に貼りあわせたような作り方になっているためか、生地は重めで、1平方メートルあたり300g程度。
スーツやスラックスがどのように作られているか、つまり、どの部分でリバーシブルの効果のある仕立て方をできるかということを、考え出すとなかなか楽しいです。
単純にパンツならよくあるのが、ダブルにすることで、その折り返し(カフス)部分が、表生地と異なるものを、裏側で出すなど、裾巾細めでロールアップ感覚ではいてしまうというのも簡単ですが、効果が高そうです。
ジャケットなら左右逆に作ってしまうというのも、ひとつの方法で、普通なら別生地を取り寄せて仕立てる必要があるため、生地代が高くなってしまうところですが、裏表使える1枚の生地で上手に無駄なく裁断できます。ここまで、大きなデザイン変化はなくとも、アウトポケットやポケットのフタをひっくり返して別柄や、裏仕立てを背抜き仕立てや、広見返しとすることで、表生地・裏生地の柄違いを楽しむなど。
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コットンスーツのオールシーズン化計画
コットン、綿という天然素材は、夏もののイメージとして考えられることが多い。それはやはり洗いざらしのコットンTシャツや、クロップト丈のハーフパンツやバミューダパンツなど、夏のイメージと結びつきやすいアイテムに多く用いられているため。
しかし、このコットンをスーツやジャケット、丈夫でヘビーデューティーなボトムス的なアイテム、いわゆる重衣料に限定して考えた場合、必ずしも春夏用に限定してしまうのにはもったいなさすぎる。
最近あまり見なくなってしまったが、あのダンボールを衣食住とし、公園で一時期暮らしていたという漫才師田村さん(麒麟)が、ホームレス中学生で証明している通り、食べてしまうということについては、少々の疑問が残りますが、コットン繊維の構造と同じことがいえる内部に気泡を多く含ませることができることから、風を防ぐ以外に、熱を逃さないという暖かさを保つ保温効果が、秋冬着用のコットン服地にはあり、これがコットンスーツのオールシーズン化計画を提唱するに至った大きな理由のひとつです^^
確かのその吸湿性、通気性を最大限に生かすための薄手コットンは、これは物理的に寒いと言わざるを得ませんが、その生地表面に多くの空気を含ませるための起毛感や、厚地なコットンは、当然夏には向かないウィンターコットンともいうべき、一歩下がってオールシーズンに着用できるコットンスーツといえるアイテム。
清潔感のあるナチュラルイメージのコットンスーツ
クールビズも実際のところ、7~8月と、あと9月中旬で充分ではないかと考えるファッション書生のわたしですが、コットン素材の特性を生かしてその前後もこのコットンスーツで過ごそうと考えるのはいかがなものか。
コットンでも、テーラードの仕立て。いわゆる衿付きの背広仕立てのものなら、クールビズではきちんとした身なりと考えられる。その上、コットン素材に強くあるイメージとしてそのシワ感は決して、汚すぎるものでない限り、許されるものだと思う。
なによりそのコットンスーツ着用時に期待することは、ナチュラル、清潔感、書生気分のファッションビギナーがクールビズ対策として、少ないおこづかいの中から数着を捻出するにはあまりにもエコすぎる、お財布にも優しい素材使いのスーツといわざるを得ない。
元来丈夫なコットンではありますが、夏の湿気、汗などの体臭、汚れやすい環境などを考えれば、あまり優しいライトベージュを含めた薄味なものは避けたほうが良さそう。
コットンは染色性が良く、色は比較的融通がきくため、種類も多いと認識しているが、コットンはやはりカジュアルのものとの考えが強いのか、理想とするミディアムグレーだとか、ネイビー基調のライトブルー、ベージュでもちょっと濃い目などといった色はまだ多く見ることがないのが、悩みの種です。
クールビズ、ジャケパンからコットンスーツに乗り換える
ジャケパンはおじさん感覚でいえばジャケスラ。それぞれがジャケット&パンツと、ジャケット&スラックスを短く呼んだものです。ジャケットとパンツをセパレートで着るので、カジュアル感のある着心地が楽しめ、より開放的なスタイルとなるため、カジュアルフライデーなどといわれた20年前にも注目を浴びた着こなし方。
クールビズの場合には、涼しく快適にというのがそれしかないコンセプトですが、どれだけ涼しく過ごすためにきちんとしたビジネスマンとしての品位を保てるのか・・ということが、これからの課題となり、そんなところからコットンスーツこそ、クールビズに最適な素材では・・ということらしいです。実際、コットンというのは、生地価格からいっても一段お安く設定されている庶民派な素材だし、染色性のよさから、黒無地や、ビジネススーツとしては欠かせないネイビーや、グレー。ビジネススーツには、なじみが薄いとはいっても、ベージュ系の色柄は、コットンスーツの定番色ということもあり、お堅いビジネスシーンでも、決して着用しても、相手に失礼になるものではない・・という、現場の実感。
以前から思っているのですが、2着の色の異なるコットンスーツを、互い違いにセパレートスーツとして入れ替えて着用する。これが、ジャケパンスタイルです。。2着のコットンスーツに、パンツがあと2本も加われば、月曜から金曜までのビジネススーツとしての着こなしにも巾がもて、十分すぎるおしゃれで涼しいジャケパンスタイルの出来上がり。
コットンスーツは上下ばかりで着る必要は決してありません^^
コットンスーツでセットアップする
セットアップスーツというのは、ジャケットとパンツのサイズを組み合わせて購入することができるスーツのことで、日本語直訳で「組み立てスーツ」と言われるもの。
セットアップ・ジャケットとセットアップ・パンツのサイズや色柄が違うものを選べるので、コーディネートの巾が広がります。特に、サイズ面では、上下スーツとも同じサイズで組み合わされているレディーメイドのスーツに対して、別サイズのものを選べるため、簡単に言ってしまえばジャケットは大きいサイズ、パンツはウエストも細くモモ巾も細いサイズなど、オーダースーツにも似た寸法調整というものがやりやすくなります。
世の中にはセットアップ好きなファッション通も多く、色柄を替えて購入するセットアップスーツはいわゆる今時のジャケパンスタイルにも通じるものなのですが、夏のカジュアル定番・コットンで仕立てるジャケットやパンツの着こなしは、まさしくそのセットアップが基本です。。
おしゃれな小物使いでコットンスーツをドレスアップしたり、コットンアイテムに相性の良いニットタイなどで、Vゾーンを爽やかな春夏シーズンぴったりにタイドアップするなど、腕の見せ所です^^
コットンスーツをアンコン仕立てで
アンコン仕立てのジャケットは、春夏シーズンになるとにわかに注目度が上がってしまうアイテム。難しい言い方をすればアンコンストラクティブ(無構築な)ということらしいのですが、肩パッドや芯地・付属をほとんど使わずに作ってあるジャケットの仕様。
このアンコン仕立てのジャケットは、秋冬シーズンのハリスツイードやフラノなどにも用いられることがあるのですが、特にはコットンスーツやリネンスーツとの相性が抜群に良いです。コットンの優れた吸湿性・通気性と軽く、裏地さえ付けない場合があるアンコン仕立てが、夏仕立てに向いているということから。
ジャケットの裏仕立てには、秋冬仕立てといわれる総裏仕立て、裏仕立て標準の背抜き仕立て、夏仕立てとなる半裏仕立てなど、その他にもいくつかありますが主なところはこの3つ。また、広見返しの裏仕立ては、コットンで用いると胴裏部分まで見返しを広く取るため、身体にコットンが直接ふれ、さらっとした肌触りが清涼感を増すのに役立ちます。
オーダースーツでも、アンコン仕立てというものがここ数年シルエットパターンとして普及しだしており、アンコンならオーダースーツでなくてもという気がしないでもないのですが、当然寸法指定などから、理想的なシルエットを構築できるオーダースーツ。この春夏シーズン、コットンスーツ+アンコン仕立ての組み合わせは見逃せないかも知れません。
オーダースーツ Pitty Savile Row
クールビズにコットンを選ぶ
衣服に使われているコットン素材を考えれば、どれだけコットンが人の生活に用いられてきた天然素材であるかわかる。
カジュアルフライデーからというより、それ以前からのスーツのカジュアル化は、春夏シーズンには、温暖化を防ぐためという環境庁の旗振りではじまったクールビズで大きく動き出した感があります。自分など当時の小池百合子環境大臣がメディアにご出演になるたびに、正直なところ苦々しい気持ちになるのですが、同様のお気持ちをもつご同僚も多いのではないかと思います。
しかし、そうばかりも言っておられず、クールにエコに春夏シーズンを過ごすための方法として、おススメなのがコットン素材。色柄をブラックコットンや、ネイビー、グレーなどを選べばビジネス用に着るコットンスーツやコットンパンツとしては最適素材。ジャケット&パンツのジャケパンスタイルなら、イタリア製ラルスミアーニをはじめとしたストレッチコットンというものもいいです。
ただ、温暖化を防ぐためのクールビズが、震災以降は、確かに涼しく過ごすために衣服を軽量化するという本筋では同じですが、温暖化を抑制する原発にはダメ出しをしながらというところに内容の変化があるようです。
コットンはその繊維の先端が丸く、アンダーウエアとしても肌ざわりが良い天然素材ですね。
オーダースーツ Pitty Savile Row
衣服コットンのイメージ
ネクタイの色柄のあらわし方に「ソリッドタイ」などといわれることがある。ソリッドは本来、直訳してしまえば、固形のなどと訳される英語のようで、おそらくこのイメージからかネクタイでソリッドという場合、無地で若干硬めで織られたものをいう。
コットンといえば、ただしくソリッドなイメージの衣服です。生地表面が若干冷たい感じがするのは、繊維が中空構造となっているために、熱の伝導率が悪い、高い吸湿性から肌触りがさらっとしているということがあるのかも知れない。
衣服としてのコットンは、涼しさを保ってくれる、クールでソリッドなアイテム。
反面、コットンには繊維の中空構造に多くの空気を含ませ、暖かさを保つという効果があり、この性質をより生かすために、コットンの生地表面を微細に毛羽立たせ、その毛羽立たせたコットン表面により空気を含ませる。夏に涼しい、夏用衣服といわれるコットンが秋冬用にも用いられるべき、これが暖かさのメカニズムということになるのですが、単純にフラノやサキソニーにも似た、毛羽立ち感は、見た目にも、触った感触としても暖かさを感じさせてくれます。いわゆるオールシーズンコットンといわれるものがこれで、まだ、ウィンターコットンというほどの用いられ方をされることがないコットンスーツやコットンジャケットですが、暖冬傾向や地域によっては、エコな天然素材コットンの優位性を秋冬ファッションの素材として取り入れるべきものなのかも知れません。