コットンでスプリングコートを仕立てる

ハリスツイードやフランネルやカシミヤのコートなどありますが、春に活躍するスプリングコートをコットンでカジュアルに。
季節の変わり目で着る物に困る時など、ジャケットとコートの中間的な存在で、使い勝手が良い。
スーツやジャケットの上から羽織っても良し、ニットやシャツの上から直接着る事も良し、中間的なモノがあるとかなり便利ですね。
気軽に羽織る事が出来ますし、ジャケットとは異なる雰囲気を演出する。
ベージュ系やネイビー系が着回しやすく1着あれば重宝しますし、レッド・ブルーなど原色系の派手なコートで攻めのお洒落アイテムとして。

リサイクルに最適なコットン素材

春夏は勿論のこと、保温性に優れていて肌寒い秋口でも着る事が出来るコットンスーツはオールシーズン活躍してくれます。
またコットン素材はリサイクルにも最適な素材で、「リサイクルコットン」と呼ばれる生地がある。
それは紡績の段階で普通なら捨ててしまう糸や落ち綿を集め、
繊維に分解し、新しい糸が紡がれ、新たに生地にしたもので、製造工程の手間が掛かる為、高価な物もあるのです。
色々な糸や綿を元に作られた生地なので凹凸感や肌触りに独特な味が出ていて、少し違った風合いを楽しむ事が出来る。
更にリサイクルコットンはアメリカの「ソルメイトソックス」と呼ばれる靴下にまで使われている。
左右非対称なカラーリングが特徴で非常にお洒落なアイテムですね。

コットンコードレーンで仕立てるアイスクリームスーツ

今年の梅雨入りは6月初旬から中旬だそうで、湿気が多く寝苦しい日々が続きますね
着るモノがだんだんと夏素材になっていきますが、一口に夏素材と言っても色々ありますね。
コードレーンは細い畝があり、シアサッカーは生地表面に独特なシワがあり、どちらも代表的なコットンの夏生地になります。
スーツやジャケットは勿論、またスラックスやベストにも面白く爽やかな素材です。
ちなみにアメリカではコードレーンで仕立てたスーツをアイスクリームスーツと呼んでいた。
カラフルな感じや雰囲気から来ているらしく、なんとなく分かります。

船の帆とワックスコットン

ワックスコットンの起源は15世紀まで遡り、
その始まりは船の帆なのです。
水夫がもっと動きを円滑にさせたいと潤滑油
としてフィッシュオイルを帆に塗っていました。

それはエジプトからワックスコットンが製造される
19世紀まで続きましたが、寒さ等に弱く耐久性が
まだまだでした。
色々な試行錯誤され、高い撥水性と通気性などが
人気となり、英国王室の貴族も愛用する事になります。

高級なエジプト綿とオイルとワックスで処理した
生地を使ったジャケット。
手間暇の掛かるメンテナンスが必要だが、その価値
があるので英国ではジャケットを代々受け継ぐ。
このように船の帆から英国王室も愛用するジャケットになる、面白い。

海から生まれたシー・アイランドコットン

シー・アイランドコットンは「幻のコットン」と呼ばれている。
英国王室がこのコットンを大変気に入った為に、長い間、英国が栽培から運輸まで厳しく管理していました。
糸を作るにしても英国で3社に独占されていたんです、まさに門外不出で品質と品位が守られ保たれてきたのです。
このようなコットンが生まれたキッカケは気候や風土にあります。
雨季と乾季のバランスが良く、綿を栽培するには最適で、シー・アイランドコットンはこの土地でしか出来ないのです。
綿繊維の中で最も長くて細く光沢もあり、120番手から400番手まで幅広く紡績が出来ます。
ちなみに他の綿に比べて50%も高く光を反射し、その光沢が美しい。
英国の独占状態にありましたが1975年に日本への供給が認められ、1980年には100%輸入が可能となったのです。

ハリウッドスターに愛用されたシアサッカー

夏シーズンには欠かせなくなった清涼感のあるシアサッカーですが、アメリカではリゾートファッションとして富裕層に支持されていました。
そしてハリウッドスターの間で流行し、一般大衆にも広がっていき、日本でも定着していったのです。
糸を緩く織り畝状になっているので、肌が密着する面積が少なくなりベタベタ感が軽減されるので、汗を良くかく方に持ってこい。
見た目にも涼しいので営業マン向けの生地でもあるでしょうか。
クールビススタイルの幅を広げてくれる頼もしい生地がシアサッカーなんです。
ちなみに本来はシアサッカーseersuckerといい”ミルクと砂糖”を意味するペルシア語のshr va shakkarに由来している。

コットンスーツにポリウレタン混素材で程良いストレッチ

もう春はすぐそこまでやって来て、ベージュなんかのコットンジャケットでお出かけしたい。
イタリアのコットンメーカーの中で最大手のラルスミアニの生地は、コットン素材でありますがイタリア生地らしいしなやかさがあって着心地が良い。
更にポリウレタンが入っているので、程良いストレッチが効いて、とても動きやすい。
このポリウレタンですが伸縮性が最大の特徴で元々の長さの6倍程度も伸び、強度もゴムの6倍程度もあります。
そして繊維の中では比較的軽いのも特徴ですね。
なのでラルスミアニのコットンのようにコットン98% ポリウレタン2%でもストレッチ素材になるのです。

天然素材のコットンは火に強くキャンプで活躍

キャンプ等で火を扱ってる時に火の粉に当たって服に穴が開いてしまった、という経験はありませんか?
アウトドアに使われることが多い化学繊維は火に弱く、火に強いのはウールやコットン等の天然素材なのです。
天然素材であれば火の粉が付いても、手で払えば穴が開いてしまう心配もございません。
コットン混紡のウェアでもだいぶ違うのですが、やっぱり1番良いのはコットン100%のウェア。アウトドアウェアでそういう物はあまりないようで…
オーダーでコットンの生地を使い、ジャケットやスラックスをお仕立て頂ければ、サイズ感ピッタリで着心地も履き心地も良く、安心でしょうか。
ちなみにコットン素材のテントもあるのですが、雰囲気が良く可愛いカッコ良かった。

コードレーン素材のコットンスーツで

細い白い畝があり、生地表面の凹凸感が素肌との接触を避けてくれ、涼しい。
サマースーツ、ジャケットやスラックスとして人気の高い生地で、
色んなカラーバリエーションあり、鮮やかな水色と白い畝というモノが最も一般的です。
1930年代にブルックス・ブラザーズがコードレーンでジャケット・スラックスと作ったのが原点。
実はアイビーブームより前の時代からビジネススーツとして活躍していたのです。
カジュアル着としては勿論の事、ジャケパンスタイルOKの職場でしたら、夏のクールビズに使えるでしょう。
こういった涼しげな生地には、白蝶貝や黒蝶貝の釦がとても良く似合いますよ!

ハリソンズのメルソレアコットンでコートを仕立てる

フランス綾と呼ばれる斜め60度の綾目で織られた密度の高いハリソンズのメルソレアコットンコート用にいかがでしょうか。
もともとフランス綾とは、イギリスがフランスに攻める時に生まれたのです。
当時の軍服は肉厚のウール地しかなく、動きづらいモノばかりでした。
さらにドーバー海峡を航海しなければいけなく、水に濡れ軍服は水分を吸って重く動きにくくなってしまいます。
それを見たイギリスの軍人は強く柔らかく丈夫で水や風が通らない生地を開発しました。
フランスに向かうために生まれた生地という事で「フランス綾」と名付けられました。
ウールよりも防寒性は劣りますが、目が詰まってるので風を通しません。
軽い雨ならお構いなしで着る事が出来ますので、ビジネスでもカジュアルでも重宝するコートになるでしょう。
コットン特有のシワが気になる方は、ポリエステル混の生地であれば心配ないでしょう。