綿100%の素材は繊維の中で最も優秀

衣類のタグを見てみると本当に様々な素材で生地が構成されていることがわかります。
大まかに天然繊維と化学繊維に分かれ、天然(植物繊維・動物繊維)と化学(合成繊維・再生繊維)に分類されています。
実は天然繊維と化学繊維を組み合わせたモノが、実は1番多く、これを混紡繊維と呼んでいます。
例えば「綿とポリエステル」「羊毛とレーヨン」といった感じです。
服のタグには「綿70%、ポリエステル30%」というような品質表示になっています。
混紡繊維のメリットはお互いの特徴を生かし、短所が少なくなるのですが、やはり綿100%の素材が1番優秀でしょう。
生地感に関しては好みが大きい部分ですが、比較的に劣化が少なくて、コストパフォーマンスに優れています。
衣服は毛玉や色落ちが劣化に繋がっているのですが、綿100%では毛玉の心配はなく色落ちも洗濯等に気をつければ持ちが良くなります。
スーツにおいてもコットンはカラーバリエーションは豊富ですし、目付も織りもブランドも色々ありますので、生地は選び放題だと思います

コットンウールをビジネススーツに活かす

コットンとウールを混紡させることで
綿のサラッとした印象を保ちながら、通気性もあり機能性がプラスされた素材となるのです。
ウールが混ざることでコットンスーツほどカジュアルに振り切らず、ウールほど堅くならずに、少し軽さのあるお洒落なビジネススーツに仕上がります。
そろそろクールビズを考えスーツを仕立てる時期になってきましたが、
コットンの中でも夏場はコットン・コードレーンがオススメ。
白地基調のストライプ柄で、表面の凹凸が肌への密着を減らし、ベタベタを感じさせることが少なく、高温多湿の日本に合っている。
ネイビー、ライトブルー、モスグリーン、明るいピンクなど。
カラーバリエーションも多く、涼しさや清涼感を感じると思います。

着る時期によって決めるコットンの目付け

繊維にも天然繊維と合成繊維があって、その天然繊維の中でも綿などの植物繊維は長く人々に愛用されています。
合成繊維にはない特性を持っています。
主に綿や麻、対して動物繊維には絹や羊毛やカシミヤなどが属しています。
1本の繊維に200回ほどの天然撚りがあるので、糸として紡ぐとこれがしっかりと絡み合っています。
滑らかさが生み出されているわけです。
やはり最大の強みは、吸湿性がとても高く、繊維の内側と外側の湿度に差が出来ると、内側に溜まった熱を外に出す働きがあります。
つまり気化熱を奪って、衣服内の気温が下がることで、涼しく爽やかに着用出来るのです。
春夏用ジャケットにもスラックスにも、いいですよね。
厚手のもの、薄手のもの、目付けも色々ありますが、着用時期によって決めていきましょう!
少し厚手のものは春から初夏、薄手のものは夏用といったように。

コットンギャバジンの織り

だんだんとコットンジャケットを着たり、コットンスラックスを履いたりしたい陽気になってきましたね。
コットンの中でも特徴的なコットンギャバジン
きつく織られていて、綾目が急角度に出ていて、表面に光沢ハリがあります。
これはあのバーバーリーを創業したトーマス・バーバリーによって完成させられた。
綾織りによって丈夫になっていることは確かであるが、それよりも修理がすやすいという点に注目し採用されたようです。
生地を引っ掛けてしまった場合、たて糸が多い綾織りは裂け方が単純になるのです。
ジーンズも始めは平織りだったが、綾織りのデニムに、これは修理のしやすさからだと思われるのです。
バーバリーのトレンチコートにはトロピカルギャバジンなんていう素材で作られたモノがあるんですね。
軽く柔らかいのが特徴。
トロピカルってなんか響きがいいですよね。
カノニコのラスティック・トロピカルだったり、ドーメルのトロピカル・アマデウスだったり。
紳士服地でけっこう使われる言葉ですよね。

コットンスーツは英国人のリゾートウエアとして

紳士服のルーツは英国でありブリティッシュスタイルですが、コットンスーツも英国が植民地を統治する為に作られたものです。
夏でも比較的涼しいので、温かい土地太陽を求めて、南欧に長期滞在する人たちが多かった。
そのような人たちの為にコットンスーツがリゾートウエアとして広がりを見せた。
こういった事情から、英国人は普段着としてコットンスーツを着ることをTPOに反すると認識していたようです。
そのなかでイタリア人がリゾート地でコットンスーツを着るイギリス人を見て、憧れを抱き、機能性に惚れ、イタリアの街着にしたのです。
英国のコットンスーツに対する認識なんてお構いなしに。
イギリスよりも南にあり温暖だったこともあって、気候風土にぴったり合っていたのでしょう。
洋画でスーツに注目しながら観るのもなかなか面白いと思っているのですが「ナポリ湾」や「太陽の下の18才」なんかがオススメですね。

相撲の廻しは木綿で出来ている

日本の国技である相撲、総合格闘技やボクシングなんかも好きですが、
行司の「はっけよーい、のこった、のこった」という掛け声にはどこか日本人として親しみを感じるし惹かれるものがあります。
ボクシングでいえばグローブ、柔道でいえば白道着に黒帯といったようにそのスポーツにはそれぞれ象徴となるアイテムがありますよね。
相撲は廻しでしょう。
神への奉納の意味合いがあるために礼儀作法が非常に最重要視されるスポーツで、品格とくに横綱の品格問題がたびたび取り上げられたりします。
廻しの素材は関取は絹で幕下は木綿、と厳密に決められているのです。
関取も稽古の時は木綿のものを使いますが、基本的には洗濯しない。
これは型崩れしてケガから身を守る意味を保つ為、験担ぎなどの意味もあるそうです。

超希少なGIZAコットンとはなんなのか

コットン生地といえば私たちの生活に欠かせない素材でありますが、その中でも希少価値の高い綿も存在しています。
GIZAコットンと呼ばれていて、GIZAとはエジプトの地名。
白いゴールドとも呼ばれ高級品として扱われているのです。
開発された順番に番号が付くのですが、中でも45番目のGIZA45が最高品質と言われていて、綿なのに質感が絹に例えられるほど。
GIZA45の生産量は年間約650トンで、なんと世界の綿花生産量の0.001%ほどしかなく、大変貴重なんです。
そして化学肥料や農薬などを使わないで育てられるオーガニックコットン、そして全て手摘みというこだわり。
ヨーロッパでは新生児用の贈答品として使われています

厚手なコットンならホーランド&シェリーのモールスキン

ひとくちにコットンといっても目付けや織り様々ありますが、ここでは厚手なホーランド&シェリーのモールスキンをオススメします。
mole=モグラの毛皮のような触り心地からこのような名前が付けられ、しっかりとした重厚感のある生地です。
太いコットン糸の生地表面を起毛させてできているので、隙間に空気を取り込みやすくなるので、保温性に大変優れ、丈夫で耐久性も抜群です。
ジャケットやコート、それに合わせるスラックスとしても人気となっています。
ホーランド&シェリーは本当に豊富な生地展開をされていて、サンプルブックを眺めているだけでも楽しいですよ。
モールスキンは440gと615gのコットン100%なのですが、同じホーランド&シェリーのシーズナルコットンは320gで2%ストレッチ素材が混紡されているモノもあります。
2つの違いはサンプルチップで確かめて頂くのが良いかと思います。

Tシャツの代表的素材、コットンとポリエステル

タイトルにもあるようにTシャツの素材の多くはコットンとポリエステルから出来ているのですが、どういった違いがあるのでしょうか。
ポリエステル素材はスポーツトレーニング用が多く、高い通気性と速乾性が魅力です。
天然素材であるコットンの方が肌触りが良く感じますが、ポリエステルは着心地が軽く、好みや着用状況によって変わってくる部分だと思います。
もちろんコットンはTシャツ意外にも、ジャケットやスラックスや寝具など生活に欠かせない。
コットンとなにか別の素材を混紡した生地もまた違った風合いや触り心地なので面白い。
例えば「綿×リネン」とか「綿×シルク」など。
サンプルを取り寄せて生地感や肌触りを確かめていただくのが1番だと思います!
質感の違う生地でスーツで春夏コーディネートに挑戦してみてはいかがでしょうか。

コットンなど主な素材と熱伝導率について

コットンの熱伝導率は0.54。
これがどの程度の高さかといいますと、アロハシャツの代表的な素材であるレーヨンは0.58。
麻は0.63、そしてウールは0.37となっています。
ひんやりとしている土壁を想像してみて下さい………熱伝導率は0.69です。
コットンやレーヨンや麻の高さがわかると思います。
こういった指標を参考にオーダースーツの生地選びをするのも面白いかもしれませんね。
それ+オーダーならではの細かなディテールで快適なスーツを仕立てるのはやっぱり楽しいですよ。