コットン製品のシワ対策におススメなストレッチコットン

衣服にとってシワの出やすい素材、出にくい素材というのはとても気なるところで、ビジネススーツなどに用いられるウールのオーダー服地などの場合には、サンプルなどを親指と人差し指などでひとつまみし、その後に残るシワ、短時間での回復力などを見たりすることがよくあります。
よくいわれることが、英国服地はシワになりづらいが重く仕立て上がりもかっちりカタメな感じ。イタリア服地は比較的薄地で軽く着心地は良いが、シワにはなりやすい。
特に服地が全般に薄くなる春夏シーズンには、暑さから湿度が高く汗もかくため、スーツ地がよれよれの湿り感があり、シワが目立つ・・。どうせシワになるのなら、春夏スーツは高いものでなくても・・。
コットンやリネンなど天然素材には、もともと伸縮性が少ないため、このシワについては厳しいご意見も多いところなのですが、その夏の着心地の快適さ、風合いから人気も高くまたどうしても頼りたくなってしまう服地のひとつ。。
コットンでもウールでも同じなのですが、シワをできるだけ軽減したい場合、一般的英国服地の特徴とされる目付け(生地の1平方m当たりの重さ)の重い、強い打ち込みのものを選ぶということになるのですが、その他に近年タイトスーツを代表として、クラシコスーツブリティッシュスーツすべてのスーツシルエットのパターンに傾向のあるゆとり量の少ない細身なシルエット。よりシワが出やすいタイト傾向なコットンスーツコットンパンツには、ポリウレタンやスパンデックスを混紡したストレッチコットンというのがおススメ。イタリアブランドではラルスミアーニ、日本製の有名メーカーも良いものがあります。

オーダースーツ Pitty Savile Row

コットンデニムとダンガリー

コットンデニムダンガリーとどのような違いがあるのだろうということで、少し調べてみました。ダンガリーというと世代的なところもあると思うのですが、ブルージーンズに合わせて着るシャツ生地とイメージが強く、中学生のカジュアルアイテムには必須のワードローブで、細巾の編み込みメッシュの縄ベルトのようなものを腰に巻いている人が多かったような気がします。ダンガリーは素材(服地)のことで、ダンガリーズがシャツなどのアイテムを意味するようです。
コットンデニムはというと、もう少し上級で、色はコットンパンツの定番色ベージュ以外にもコットンの染色性の良い所を活かし、黒や赤、オレンジ、水色などカラードコットンを用いて作ってあるジーンズに代わるボトムス。インナーとしての用途は少なく、羽織るジャケットや、やはりコットンデニムパンツが主用途です。
正確には、ダンガリーはデニムを薄地にしたもので、織りはダンガリーもデニムも同じく綾織り(ツイル)ですが、径糸と緯糸に用いる晒し糸と染め糸がそれぞれ逆に使っているところに大きな違いがあります。
ダンガリーはコットンデニムより薄地なものなので、インナーとしてよく着ていたシャツ生地だったというのはうなずけるところ。コットンデニムはコットンで仕立てるパンツ(オーダーパンツ)の素材としても定番は「ベージュ」「白」「黒」「オリーブグリーン」「ネイビー」、更に多くの色種類もあります。
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コーデュロイもコットン(綿)でできています

子供の頃によくはいたパンツがコーデュロイという方も多いのではないでしょうか。その当時はコール天などといっていたと思います。大人が着るとそれはコーデュロイパンツコーデュロイスーツ、ジャケット。ずいぶん高級感のある響きになります。
その年によって流行があり、ここ数年は3ミリ程度の細畝が好まれているようで、仕上がり感もすっきりで、この細畝巾のコーデュロイをピンウェール・コーデュロイ、太畝巾のものをワイドウェール・コーデュロイと呼びます。一般にコーデュロイはこの畝を特徴とした木綿地(コットン地)ということになりますが、中にはウール・コーデュロイといわれるものなどもあり、畝のあるもの=コーデュロイと考えれられているところもあるようです。
コットンは、通気が良く吸湿性が高いというイメージが強いため、起毛感があり柔らかで暖かな手触りのあるコーデュロイがコットンでできていると知った人は、少し不思議な感じがするようです。もちろん、コットンで作られたコットンジャケットコットンパンツは、夏用アイテムとして愛用される方が多いことは間違いないのですが、そのコットン繊維の中空構造から、空気を多く含み自然のサーモスタット的役割をしてくれる秋冬に暖かいアイテムであるという一面も。特に、産毛のように起毛されたコーデュロイの生地表面はより多くの空気を含み、暖かさを逃がさないという大事な役目を果たしています。

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コットンスーツをアンコン仕立てで

アンコン仕立てのジャケットは、春夏シーズンになるとにわかに注目度が上がってしまうアイテム。難しい言い方をすればアンコンストラクティブ(無構築な)ということらしいのですが、肩パッドや芯地・付属をほとんど使わずに作ってあるジャケットの仕様。
このアンコン仕立てのジャケットは、秋冬シーズンのハリスツイードフラノなどにも用いられることがあるのですが、特にはコットンスーツリネンスーツとの相性が抜群に良いです。コットンの優れた吸湿性・通気性と軽く、裏地さえ付けない場合があるアンコン仕立てが、夏仕立てに向いているということから。
ジャケットの裏仕立てには、秋冬仕立てといわれる総裏仕立て、裏仕立て標準の背抜き仕立て、夏仕立てとなる半裏仕立てなど、その他にもいくつかありますが主なところはこの3つ。また、広見返しの裏仕立ては、コットンで用いると胴裏部分まで見返しを広く取るため、身体にコットンが直接ふれ、さらっとした肌触りが清涼感を増すのに役立ちます。
オーダースーツでも、アンコン仕立てというものがここ数年シルエットパターンとして普及しだしており、アンコンならオーダースーツでなくてもという気がしないでもないのですが、当然寸法指定などから、理想的なシルエットを構築できるオーダースーツ。この春夏シーズン、コットンスーツ+アンコン仕立ての組み合わせは見逃せないかも知れません。
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クールビズにコットンを選ぶ

衣服に使われているコットン素材を考えれば、どれだけコットンが人の生活に用いられてきた天然素材であるかわかる。
カジュアルフライデーからというより、それ以前からのスーツのカジュアル化は、春夏シーズンには、温暖化を防ぐためという環境庁の旗振りではじまったクールビズで大きく動き出した感があります。自分など当時の小池百合子環境大臣がメディアにご出演になるたびに、正直なところ苦々しい気持ちになるのですが、同様のお気持ちをもつご同僚も多いのではないかと思います。
しかし、そうばかりも言っておられず、クールにエコに春夏シーズンを過ごすための方法として、おススメなのがコットン素材。色柄をブラックコットンや、ネイビー、グレーなどを選べばビジネス用に着るコットンスーツコットンパンツとしては最適素材。ジャケット&パンツのジャケパンスタイルなら、イタリア製ラルスミアーニをはじめとしたストレッチコットンというものもいいです。
ただ、温暖化を防ぐためのクールビズが、震災以降は、確かに涼しく過ごすために衣服を軽量化するという本筋では同じですが、温暖化を抑制する原発にはダメ出しをしながらというところに内容の変化があるようです。
コットンはその繊維の先端が丸く、アンダーウエアとしても肌ざわりが良い天然素材ですね。
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コットンコードで作る夏のコットンパンツ

細い畝織りの生地をコードレーンといいます。本来コードレーンはコード織りの商標名であったのですが、商標名としてでなく、細い畝織り地・コードレーンとして広く知られるようになりました。
このコード織りされたコードレーンを、コットンを用い織られたものを、特にコットンコードといいます。このコットンコードは、夏用のコットンスーツコットンジャケットコットンパンツとして爽やかな着心地を与えてくれる、夏用の快適素材。生地表面の凸凹感は、肌に直接に接する面積を減らしてくれるため、べたつきません。天然素材コットンの吸湿性、通気性の高さが夏に快適な爽快感をもたらしてくれることは言うまでもなく、見た目にも涼しいコットンコード、白地に薄いブルーのコットンコードは、まさしく夏の避暑地にぴったりな定番アイテムといっても過言ではありません。
涼しげで品の良いライトグレー+白地のコットンコードを上下スーツで着てみたり、また、それぞれジャケット、スラックスとして着用するなど、コーディネートの巾もさまざま。プレッピーなアイビースタイルにも、少し目立つ感じなコットンコードですが、クラシックパターンといえるほど定着している色柄なので、自然となじみます。
コットンパンツをオッドパンツとして作るなら、少し細身、パイプドステムなシルエットのノータック、パンツの折り返しは多めに6cm。靴底がしっかりとしたクラシコな靴や、カジュアルな靴でもソールのこば張りが強めなものを選びます。

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コットンパンツを補修するときの注意

コットンの生地は、カジュアル素材の中でも比較的安価で良い所ばかりが目立つ主に春夏に用いられる素材ですが、その反面、伸縮性がない若しくは少ないというコットンの特徴は、コットンパンツをはじめコットンジャケットスーツなどの着用感、補修するときなどにも影響します。
コットンの良い特徴、長所をあげれば、通気性・吸湿性が良い、繊維の先に丸みがあり織り上がったコットン生地の肌ざわりは滑らか。この長所は、シーアイランドコットンやエジプト綿など、繊維の細い高級綿ほど顕著。コットン生地そのものを薄く作ることができるということもあり、高級衣服に用いられるコットン生地となります。
ジャケットに比べてパンツは、特にウエストまわりなど直接身体にフィットする部分なため、体型の変化に影響されやすく、コットンジャケットの調整は不要でも、コットンパンツのウエスト調整は必要な場合が多くあります。コットンのウエスト調整を含め、縫製したミシン目を外し、再縫製する際のミシン目の穴は、コットン素材に伸縮性がないために、残ってしまいがちです。調整後は、比較的目だってしまうミシン目の穴も、クリーニングを繰り返すなど時間の経過とともに、徐々に目立たなくはなりますが、新調後時間が経ってしまっているものは、ミシン目の穴もしっかりついてしまっているため、調整するなら早期のほうが軽めです。
ミシン目の穴が気になるのは、スラックスのウエスト寸法などを大きく伸ばして縫製されていた部位が、表に出てきてしまった場合。コットンでもストレッチ性のコットンなら、ある程度は軽減されます。

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衣服コットンのイメージ

ネクタイの色柄のあらわし方に「ソリッドタイ」などといわれることがある。ソリッドは本来、直訳してしまえば、固形のなどと訳される英語のようで、おそらくこのイメージからかネクタイでソリッドという場合、無地で若干硬めで織られたものをいう。
コットンといえば、ただしくソリッドなイメージの衣服です。生地表面が若干冷たい感じがするのは、繊維が中空構造となっているために、熱の伝導率が悪い、高い吸湿性から肌触りがさらっとしているということがあるのかも知れない。
衣服としてのコットンは、涼しさを保ってくれる、クールでソリッドなアイテム。
反面、コットンには繊維の中空構造に多くの空気を含ませ、暖かさを保つという効果があり、この性質をより生かすために、コットンの生地表面を微細に毛羽立たせ、その毛羽立たせたコットン表面により空気を含ませる。夏に涼しい、夏用衣服といわれるコットンが秋冬用にも用いられるべき、これが暖かさのメカニズムということになるのですが、単純にフラノやサキソニーにも似た、毛羽立ち感は、見た目にも、触った感触としても暖かさを感じさせてくれます。いわゆるオールシーズンコットンといわれるものがこれで、まだ、ウィンターコットンというほどの用いられ方をされることがないコットンスーツコットンジャケットですが、暖冬傾向や地域によっては、エコな天然素材コットンの優位性を秋冬ファッションの素材として取り入れるべきものなのかも知れません。

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コットンジャケットの作り方

コットンは夏用のスーツとしても、ビジネスの現場でご利用者が増えています。なにもお仕事をしている人のすべてが、ウール地のグレーやネイビーのスーツに、ネクタイを締めきっちりと白無地系のドレスシャツを着て、黒の革靴を履きということではありません。クリエイティブなとか、自営業でちょっと気軽な営業、あまりひと目にふれない仕事なので、通勤等にカジュアル素材を選び、その素材は夏はコットン、冬はツイードなどといった具合です。
夏に涼しいコットンジャケットなら、その作り方にも工夫をしたいところ。裏地を半裏仕立てという背抜き+前身の半分程度を削った仕立てにしたり、裏地そのものを極薄の裏地、メッシュ裏地とするなど方法はさまざま。
中でも見た目とその涼しさに効果的なものに、広見返しというものがあるのですが、これは裏地が肩あたりに付くのみで、仕立て方によっては袖裏さえ付けないという方法です。裏地がなくて、見返しを広くとっただけの特殊な仕立て方のため、コットンジャケットとしての仕上がりは軽く、また、通気性・吸湿性に優れたコットンを裏地部分にも用いることで、その天然の涼しい感覚が楽しめます。裏地等を省くので軽く羽織る感覚で着用できるのも広見返しで仕立てる魅力のひとつ。
ビジネス用のコットンジャケットには、オーソドックスなベージュ系やネイビー、ブラックなど落ち着いた色のスーツ、ジャケットが好まれています。伸縮性のあるストレッチコットンもいいです。

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黒、ブラックのコットンパンツ

おじさん世代には休日をのんびり過ごすカジュアルには「コットンのスラックス」というスラックスと呼びたいところですが、近頃のタイト系のボトムスには、スラックスよりパンツ。コットンパンツといってしまったほうがしっくりきます。
コットンパンツに限らず、黒のスラックスはちょっとおしゃれなおじさんの普段着から少しよそ行きの上等なズボンとしては定番の色。濃紺スラックスは、もうそのスラックスが1本あればという感じですが、黒のスラックスには若干色気づいた雰囲気が漂います。素材がリネンのパンツの黒というのもいいです。
黒や濃紺、もしくはチャコールグレーのようなパンツは、若い頃から体型変化してしまった腰まわりのだぶつき感を上手に隠して、締まった印象を与えてくれます。また、ジャケパンスタイルやシャツの色柄をあまり気にせず選ぶことができるので、ファッションから遠ざかってしまっているおじさんにも、黒は便利な色柄。
春夏シーズンには、通気性・吸湿性ともに優れ、天然素材の中ではもっとも馴染みがあり、価格も手ごろなコットンパンツで過ごす時間も多いと思います。黒のコットンパンツを含めたコーディネートでは、スーツでもはくコットンパンツをオッドアイテムとしてという使い回しもクールビズ傾向なお仕事現場ではありです。
こんなときには、傷みやすいパンツのみ2本で2パンツスーツという選択も賢いすーつ選びかも知れません。

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