月別アーカイブ: 2015年1月

ウィンドーペーンでツイードジャケットを仕立てた

ウィンドーペーン柄というのは、窓枠柄のことで、窓の格子のような碁盤目が、生地柄として織り込まれているチェック柄のこと。日本では、サッカー日本代表がダンヒル生地で仕立てたネイビー地にこのウィンドーペーンが採用されて以降、サッカー人気からか、多くの人の関心を寄せたスーツ生地の織り柄になりますが、柄そのものはクラシックパターンともいわれる古典柄で、その歴史は古いです。
昔は、チェック柄だと太って見えるので、敬遠される人もいたように記憶しており、確かに柄としての知名度はあったものの、各生地ブランドのバンチサンプルにもその収録されている点数はごくわずかに数えるばかり。ここ数年は、とても多いような印象があります。
ハリスツイード、ドネガルツイードなど、ツイード服地にもこのウィンドーペーンの柄は見ることができ、スーツ生地のようにネイビーやチャコールグレーなど無地色に、格子柄という構図よりは、ガンクラブチェックや、千鳥格子に重ねられるオーバーチェックのような織り柄でよく見られます。同じパターンの織り柄の組み合わせに、数種の色が組み合わされています。
ウィンドーペーンのような大柄なチェック柄の下に合わせるパンツは、無地だったり、格子や織り柄なら、柄のごく小さなものなど、素材の厚みもジャケットがツイードなら、相応に合わせます。

ツイードで仕立てるトレンチ型ジャケット

トレンチコートといえば、コットンギャバジンやツイルなどの防水素材で仕立てられる現代的コートの代表的なコートデザイン。このトレンチコートのデザインは、第一次世界大戦時のイギリス陸軍が塹壕(トレンチ)戦用に採用したことに由来するもののため、肩章(エポーレット)、胸に付けられるストームストラップ、ケープバック、バックル付きのベルト、袖口のストラップなど機能的にできています。
オーダーだから選べるトレンチコートの生地素材に、ハリスツイードなどツイード生地というのも選択肢のひとつです。
機能性よりもファッション性と防寒性を重視した、通勤用や少し着丈を短めに仕立てるトレンチジャケットと言われるようなものも、本格トレンチのテイストを残しているので、男性用ツイードジャケットとして、また女性用ならマニッシュっぽく仕立てるジャケットアイテムとしておススメです。
ツイードなどハリスツイードは自然に羊毛がもつ油分での撥水性ぐらいしかないので、防水性重視といったご着用には不向きなところですが、秋冬シーズンにご着用いただくアウターとしての優れた防寒性、そして耐久性、またとても人気の高いハリスツイードで仕立てるトレンチというところがファッション好きにはたまらない組み合わせですね。。

ハリスツイードで仕立てるレディースジャケットにおススメデザイン

ハリスツイードを代表とするツイード服地は、本来作業用に着用されていたということから、丈夫さ、耐久性も大事。生地の手触りはカタメなものが多いのですが、その柄にはレディース用のジャケット柄としてもおススメな色柄が豊富です。
オーソドックスな杉綾や千鳥格子、ガンクラブチェックなど古典柄も、現代的な感覚を取り入れミックス調の数種の糸で織り上げられた優しい色合い、ファンシーな色がらもあり、こういった色柄のものは、特にレディース用ハリスツイードジャケットには向いています。。
レディースジャケットのような女性らしいフォルムには、生地が厚くモコモコした感じのハリスツイード生地は、やさしく、また丈夫な長持ちする素材であるということから、好感度もアップしてしまいそう。メンズのハリスツイードジャケットにはおなじみの、ヘビーデューティーなアウトポケット、なかにはマチ付き、フタ付き、プリーツ付きのポケットデザインよりは、ごく普通にフタ付きポケットのデザインを取り入れ、ワークウエアっぽく着るよりは、普通のジャケットとして着るのが良いと思います。。
スエードタッチなエクセーヌは肌触りもよく、素朴なハリスツイード生地にセンス良いアクセントとなってくれるので、衿タブやエルボーパッチに使うのはとても良いと思います。。

ハリスツイードジャケットのアフターケアについて

ハリスツイードは長くご愛用いただくことができる服地のため、より良い状態でご着用いただくために、日々日常のアフターケアについての知識は必要不可欠。知っていればハリスツイードジャケットについてのご愛着度も増してしまいます。
オーソドックスな色柄が多いので、品質が高いことはもちろんなのですが、良い状態を保つことはご着用時のジャケット価値をより高いものに押し上げてくれそうです。
よくお問い合わせいただくのはクリーニングの回数。ハリスツイードも天然の羊毛から製織されたウール地ですので、生地そのものに油分があり、これがクリーニングばかりしていると抜けてしまいパサパサになり、ジャケットそのものにもあまり良くありません。
そのシーズンのご着用回数にもよると思うのですが、個人的にはシーズン終わりに1回程度が良いような気がします。
また、日々のブラッシングも強すぎるとハリスツイードのような紡毛織物にはありがちな毛玉の原因となりますので、柔らかい豚毛で作られたブラシなどで弱めに、ほこりやごみを落とす程度のブラッシングが理想的。毎日着るのでは、いくら丈夫なハリスツイードも傷みが早いのは当然のことなので、やはり他のスーツやジャケットと同様、休ませながら着用するというのも、アフターケアを含めたハリスツイードジャケットと長く付き合う方法だと思います。

オッドベストにおススメなツイード生地の色柄

オッドベストというのは、スリーピーススーツのようにスーツと共生地で仕立てるベストと違い、オーダーでいうならベストだけを単品で仕立てる、ベストのみ存在するオーダーベストのことになります。
ベストはウエストコートなどとも呼ばれ、英国調スーツスタイルが高い人気を持つここ数年は、スーツもベスト付きのスリーピーススーツでお仕立ていただく方が多くなってきたとともに、クールビズもあまり聞かなくなりましたが、シャツ+パンツで過ごす時間が増えて来たことから、そのトップスとしてジャケットでないプラスワンファッションのアイテムが袖なし胴衣といわれる、動きやすく気軽に羽織れるベストがオッドベストとして選ばれているのではと思います。
秋冬シーズンに着るツイード素材をオッドベストと考えると、その色柄にはとても適したものが多く、またハリスツイードをはじめとして防寒性に優れた素材でもあるので、いわゆる「ちゃんちゃんこ」的な機能性も忘れてはなりません。
日本名「杉綾」と言われる「ヘリンボーン」、千鳥格子と言われる「ハウンドトゥース」、千鳥格子の複合色柄となる「ガンクラブチェック」、窓枠格子と言われる「ウィンドウペーン」、無地でもハリスツイードで仕立てたベストは存在感があっておススメです。
素朴で年齢を問わないですし、若い方が着ても良い印象しか相手に与えません。