月別アーカイブ: 2015年12月

ライトツイードのジャケットは長いシーズン着られる

夏にはサマーツイード、冬には目が詰まった織りで重めのツイードが注目される事が多い。
ライトツイードは生地1mあたりの目付けが約350gと、ツイード素材としては軽め。
ツイードの風合いはそのままで、重厚になり過ぎない、都会的で着用するツイードとしては良いバランスを保っている。
春秋冬と長いシーズン着用できるジャケット生地として人気です。
ツイード地は、その重さから敬遠される方もいらっしゃるようですが、ライトツイードであれば半コートやコートでもあまり重さを感じずに着用できる。
さらに、生地が軽めなので、お仕事用のスーツとしても、カジュアルジャケットとしても最適です。
ざっくりとしたジャケットと組み合わせるパンツ地としても、良い味を出してくれる。

ダブルのツイードジャケットを仕立てる

バブル時代にダブダブが流行し「ダブル=バブル」というイメージが定着してしまい、1つの区切りとしてなのか、徐々に着る人がいなくなり、フェードアウトしていったダブルのスーツ。
フォーマルな場面でも、着心地感の窮屈さからか、敬遠されているような印象も感じられます。

タイトでショートなシングルスーツが主流となり、ダブルスーツを着る機会というのは少なくなりましたが、
近年、日本でダブルスーツが流行となる兆しがあるんですよ。。

そこで、トレンドとなっているカジュアルなツイードジャケットを、ドレッシー感やエレガント感のあるダブルで仕立て、流行を先取りしてみてはいかがだろうか。
ゆったり着るのがダブルジャケットですが、タイトでショート・スタイリッシュに着る傾向に合わせ、着丈を短く出来るのもオーダーならではの良さ。
ちなみに、海軍の制服や旅客機や鉄道などの交通機関の乗務員の制服は、ダブルのスーツが多く採用されています。
船の帆を操作する人を「リーファー」といい、ダブルジャケットは別名「リーファージャケット」と呼ばれているのです。
寒さや風と闘いながら運転しなければいけない人達にとって、ダブルジャケットは必需品だったのです。
欧州では高い地位の人達が好んで愛用し、あの英国王室のチャールズ皇太子も着用しています。

ツイードスラックスには総裏仕立てを

ツイード生地は織りが粗い為に、ジャケットを着る時やスラックスを履く時に、チクチクとした着心地に感じる事が多い。
総裏にした場合はチクチク感が無くなるだけでなく、ツイードスラックスの傷みを防止する効果もあるのです。
パンツの裾までの長さまで裏地の付いているモノをパンツ総裏と呼んでいる。
キュプラ裏地にすれば、滑りが良くなるので着脱する際、とても気持ちが良い。
オーダーの場合ですと、標準でヒザ裏が付けられている事が多いのですが。
総裏でなくても、ヒザ裏がある事によって、歩行や立ったり座ったりした事での生地へのダメージを軽減する事が出来ます。
ヒザが出てしまいがちな織りの軽い生地で仕立てる場合のスラックスに付けると良いでしょう。
ツイードは確かにザラザラ・チクチクして繊維が粗めの生地で、最初は少し硬い印象が強い。
しかし長く使う事によって、馴染んで柔らかくなっていくのです。

アメトラとツイードジャケット

カントリー色の強いツイード生地には、アメトラが良く合います。
アメトラの代名詞であるフックベントは、オーダーらしく一風変わっていて、ベントの上側をカギ型に縫製された形である。
「アメトラ」とはアメリカ全体を象徴するスタイルだと思いがちですが「アメリカ東部」に限定された伝統的な服装なんです。
アメリカは広いですから、地域によって自然条件だったり文化が違うので、当然流行りの服装なども違っていた。
アメトラの昔も今も変わらないスタイルが、長年愛されてきた証となっている。
昔の名残からか財政界や実業家などリーダー層に指示されていて、安倍首相もアメトラを身にまとっている所を度々見ますね
アメリカとツイードの繋がりは古く深い。
1919年~1939年の戦争中にツイードジャケットは、イギリス人が着用していました。
そしてアメリカに渡り、アイビーの発祥である名門私立大学のエリート学生達がツイードジャケットを着るようになりました。
ツイードジャケットはあっという間に認知され、アメリカを横切るように広まった事で、現在のような冬の定番生地となっていった。