ハリスツイードというと、ヘリンボーン(杉綾織り)やハウンドトゥース(千鳥格子)、ガンクラブチェックのオーソドックスな古典柄を色変わりやミックス調で素朴に織り上げたツイード生地といったイメージが強く、やはり定番の一番人気のハリスツイードといえば、チャコールグレーやミディアムグレーのヘリンボーン柄。ハリスツイードジャケットを1着持ちたいとお考えの方なら、まずこれをおいてほかにはありません。
無地柄のハリスツイード生地というのも、毎年必ずラインナップされるもので、年々色鮮やかに赤やオレンジ、イエローなどの色を見ますが、ハリスツイードの生地を暖かくお過ごしいただくツイードスーツとしてお仕事用にご着用いただく場合には、黒やグレー、ネイビーといったビジネスにはおなじみの色をお選びにいただく方が多いようです。。
どうしてもカジュアルジャケットとしてのご着用が多いヘリンボーンや千鳥格子の生地柄では、カジュアルの延長線上のようなイメージが強くなってしまい、カタメなお仕事には不向きなところがあるかも知れません。
このほか、スコットランドの民族柄となるタータンチェックも数多くの種類を見ることができ、なかでもブラックウォッチタータンはその代表的な色柄。スコットランドでは単にタータン、アメリカではプラッドとも呼ばれるそうです。
月別アーカイブ: 2014年12月
今年も人気のあるハリスツイード
常に根強い人気のあるハリスツイード。ツイード生地のなかでもその知名度は最も高く、初めてツイード生地に手を伸ばそうかというオーダースーツ好きの方なら、ご検討服地のなかに必ずあげられる生地ブランドです。
2011年にハリスツイード協会という、ハリスツイード生地の商業化に向けて発足された検査機関が100周年を迎え、さらにその注目度が増し、セレクトショップのコラボ商品をはじめ、小物類にいたるまで、このハリスツイードを使って作られているファッションアイテムは数も多くなっていますが、もちろんカスタムオーダー用の生地としても提供されている、ハリスツイード生地は、既成アイテムと比べるとその選べる生地柄もとても多いため、シルエット、寸法、デザインだけでなく、ほしい色柄を選びたいというお気持ちから、このハリスツイードでお仕立ていただくオーダーアイテムをご注文いただく方が増えてきているように思います。
ジャケットが定番とお考えになる方が多いハリスツイード生地は、ブルーデニムとの相性が良いというコーディネートの選択肢がまず、あることがテーラードなジャケットとなるハリスツイードジャケットが若い方にも、ご年配の方にも選ばれやすい理由となっているのではと思います。大人しい素朴な色使いなのに、どっしりとした存在感が、控えめにファッション性の高さを主張してくれるので、オーソドックスな色柄を1~2枚もっているととても便利に使えます。
成人式にツイードで仕立てるスリーピーススーツ
オーダースーツ店を営んでいるこのワードプレスの管理人は、ネットなどでもご注文をいただいたり、自店にご来店いただいて、スーツを仕立てていただいています。
今でこそ仕立てやすい価格でのオーダーが浸透しつつあるのですが、おそらく10数年ぐらい前までは、国産生地でも仕立てても、1着のスーツとしてはなかなかに高額で、名前の通った舶来生地ならごく一部の方しか袖を通せないようなものだったと思います。
ここ数年は、安いものでは3万円ぐらいから仕立てられるスーツのご案内など、それこそネットを通してよく知られるようになったためか、若い方を中心に、特徴のある生地で、ご自分のしたいスタイルでのオーダーというのが、サンプル見本や、ご自分採寸などでもよくいただくようになりました。
成人式は・・と、過去のご注文履歴などを思い出してみると、だいたいがご成人者の親御さんが、当店のお客様で、そのお子様のご成人祝いにというケースがほとんと、ご本人が一人でご来店ということはまずなかったように記憶しています。
今年は、どういうわけか、ハリスツイードを使ったスリーピーススーツというご注文が多く、1月初旬の寒い時期なので、厚手で暖かなハリスツイードを使い、正式であらたまったイベントなので、ベスト付きのスリーピースということなのだと思います。。
当店ごときの小さなショップで、3名もというと、どこか大手雑誌でそんな記事でも掲載されたのか、と思ってしまいました。
お一人は、明るめブルーのヘリンボーン、ブラックウォッチで2ピースとライトグレーでベストを仕立てる別生地仕立てのスリーピース、ハリスツイードでは王道的なミディアムグレーのヘリンボーン使用。ハリスツイードのような生地で作っておくと、成人式の後にもスーツで着なくとも、パンツやジャケット、ベストと着回しを楽しめそうですね。。
ハリスツイードで釦・裏地など付属類を工夫する
ツイードのような生地が厚地で、堅め、独特の風合いのある服地で仕立てたジャケットなどの場合には、それに合わせる釦、裏地などの付属類も、その存在感の強さに負けてしまわないように選びます。
多くのハリスツイードを含めたツイードジャケットで相性が良く、見ることが多いものはやはり、革素材を原料とした革釦で、釦の形が半円状に丸みを帯びバスケット状に編んだタイプのものと、プレーンな平たいタイプのもの。天然素材となる革釦の基本色は茶系および黒で、ジャケット生地の色によって濃い目の茶系釦とするのか、また明るめの茶系とするのかなど、迷うところです。。
秋冬シーズンに着用する本来防寒着的なハリスツイードのジャケット裏地は、これは迷うことなく前身、後身ともに裏地を付けていただく総裏仕立て。素材は一般に標準裏地とされているポリエステル、有料裏地となるキュプラ裏地や、古い昔には高級裏地の代名詞とされていたアルパカの裏地など付けてみるのも、ファッション上級者的なウンチクのひとつとして楽しみが増えてしまうかも知れません。アルパカは、アンデス山脈の高いところに生息している山羊の一種です。
寒いときなどに衿を立てて、というご着用方法はされないまでも、チラッと見せたいカラークロスを、エクセーヌや、革のほか、通常は専用の素材が付けられるのですが、ジャケットと同じ生地で作ったりということもぐっとコダワリのハリスツイードジャケットとしての愛着度が増してしまいそうです。