ツイードは多くの織物がそうであるように、生産される地域に密着したもの。生活風土の必要性から需要があり、生産されていたもののうち、品質の確かなもの、商業的に成功したものが広く広まりました。
その代表的なものはやはり、ハリスツイードといわざるをえません。独特の重量感、その生地の風合い、検査機関であるハリスツイード協会が認定したものだけに与えられる生地マークは信頼の証です。
ツイードの本来の意味は、手紡ぎの紡毛糸を手織りで綾織りに織った、英国スコットランド特産の綾織物のことをいいますが、現在ではざっくりとした太糸で織られた厚手でカントリー調の織物のことをすべてツイードと呼ぶことが多くなっています。
こういったハリスツイードやドネガルツイードなどアイリッシュツイードのような厚手な織物は、コート、ジャケットなどアウターとしての用途に向いた素材と思われがちですが、近頃ではウォームビズというようなエコな志向とも重なり、ベスト付きスリーピーススーツとしてご新調になる方も増えてきています。ツイードが英国生まれ、ブリティッシュ仕様なクラシックなモデルの人気が戻ってきており、加えてどうせなら、イギリス的にいうところのウエストコートを加えたベスト付きスリーピーススーツで、かっこ良く暖かくというところかも知れません。