12月も近くなってくると、寒さがずいぶん増してきました。この時期になるとよくいただくお問い合わせにハリスツイードのような英国生地でジャケットを仕立てる際には、英国調、ブリティッシュの特徴を備えたジャケットでないとおかしいのか・・というもの。
この考え方でいくと、ダンヒルやドーメルなど英国服地は必ずブリティッシュ調、ゼニアやロロピアナなどのイタリア服地はイタリアのテイストを色濃くもつクラシコ調でスーツ、ジャケットを仕立てなければならないということになります。
ハリスツイードは厳密にはアイルランド産。ドネガルツイードなどと同じアイリッシュツイードの仲間ですが、ハリスツイードのみは絶対的な固有名詞として揺ぎない地位を確立している感があります。
ブリティッシュスーツの特徴として上げられるところは、やはり男性的なバストライン、そして高めのウエスト位置から流れるようにフレアしたドレッシーな裾ラインというところでしょうか。高いウエスト位置から、サイドポケットの上にチケット入れもしくは小銭入れ用を目的として付けられていた、いまはその名残ですが、チェンジポケットというものも、カジュアルテイストの強いハリスツイードジャケットにはアクセントとなり相性が良さそう。しかし、ハリスツイードはアメトラもクラシコも、その他もろもろの有名セレクトショップでさえ、自社ラインで商品構成をするほどな有名生地なので、シルエットももちろんですが、生地の良さにその楽しむべきところがあると思います。