ツイードはスコットランドのツイード河流域を原産地とする厚手の紡毛織物。
ツイード河で羊毛の汚れを洗っていたことからこの名前が付けられたとされています。 手紡ぎの紡毛糸をあらかじめ、いろいろな色に染色しておき、杉綾(ヘリンボーン)や千鳥格子(ハウンドトゥース)などの模様で織り上げます。 そのほとんどはツイードが語源とされるツイル(綾織り)で織られ、一部には平織りのものも見られますが、製織後、縮絨起毛させないため、織り目がはっきりとあらわれ、独特の粗くざっくりとした風合いが特徴的。
もともと、ツイードは英国スコットランドの生活・風土に密着した、それぞれの地方独特の織物ですが、現在ではヨークシャーツイードなどをはじめとし、工業生産的に大量生産される、その風合いをツイード風に織り上げたざっくり感のある素朴な厚地織物全般をさして使われることが多いです。
秋冬のカジュアル向きの服地として、ツイードといえばその代名詞とされるハリスツイード、ドニゴール(ドネガル)ツイード、エジンバラツイード、シェトランドツイード、チェビオットツイードなどその産地とされる地方の名前を付けられた数種類のツイード素材は、オーダースーツ、オーダージャケットの分野でも特に高い人気を持っています。
スポーティーな感覚が持ち味で、2009年からイギリスではじまった「ツイードラン」はツイード製のスーツ、ジャケットなどを着用して自転車で走るイベント。2012年10月20日には、「Tweed Run Tokyo 2012(ツイードラン 東京 2012)」が、東京でも開催され、およそ150人の参加者が秋冬のファッションイベントを楽しみました。