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ハリスツイードで仕立てるパンツは総裏仕立てで

大寒波到来と朝のニュースや情報番組で見る日は、出勤するのが本当に億劫になってしまいますね。お仕事は個人事業のようなものをやっているので、信用のおけるしっかりとしたもの、普段はびしっとスーツ姿で決めていくことは少なく、理想的にはテーラードなジャケット+パンツスタイルなのですが、アンコンに近いものだったり、素材もカジュアルチックなものが多いです。
この寒い時期にはツイードのような暖かな素材で少し着丈長めのジャケットで腰まわりもポカポカに過ごしたいところです。ウォームビズってあんまり言われないですけど、仕事的には外出していることが多いため、仕事着はより暖かなほうがいいんです。
ハリスツイードのジャケットにハリスツイードのスラックス、これを共生地で仕立てるとハリスツイードスーツなんて、ファッション好きには垂涎のアイテム。シックなグレイのヘリンボーン柄というのが、テーラードにはしっくりきそうです。
パンツの裏仕立ては、総張りの総裏仕立てで。ジャケットの総裏仕立てというのは秋冬用に用いることが多いものでよく耳にしますが、このパンツ総裏仕立ては、一般にヒザ位置少し下までの位置に、前身のみつくパンツひざ裏が前後とも裾までつくもの。ハリスツイードのようなチクチク感のある、外毛で作られる紡毛スーツには必須のパンツオプションです。

ハリスツイードとドネガルツイードを比べてみる

服地の織り方はなかなか微妙で、素人が見てもわかりづらいことが多いですよね。ツイードなどだいたいざっくり織ってあるような厚地の織物はみーんなツイードといってしまうことがあり、綾織り(ツイル)の語源がツイードなど、忘れてしまうほどです。
ウォームビズ人気も高まってきているせいか、ツイード、なかでもハリスツイードやドネガルツイード(ドニゴールツイードという場合もあります。)は、特に雑誌等で目にすることが多くなる秋冬の入り口ともなる9月ですね。
実際、この二大ツイードのさわり心地とか、見た目とかを比較検討してみることにしました。もちろん、自分がジャケットオーダーすること前提で。
ハリスツイードは、差し毛とか死に毛といわれる、最も外側に生える白髪のような外毛にちくちく感もあり、若干硬い感じがします。また、織り柄もまったくオーソドックスで、ヘリンボーンもグレーや濃い目のグレー、ネイビーの濃淡、せいぜいがガンクラブチェックといったところ。これに対して、ドネガルツイードは、ホームスパンといわれるいわゆる手紡ぎ、手織りはハリスツイードと同じですが、ほんわかアンカットパイルのような織りに、ネップといわれる染ムラなどのイレギュラー感もあり、ハリスツイードよりは優しい肌触りのような印象を受けました。
ハリスツイードは、漁師さんが船の甲板の上など、厳しい寒風にさらされるなかの生活着からのものなので、より丈夫にできているのか・・というのが感想です。

ツイードで仕立てるスリーピーススーツ

ツイードは多くの織物がそうであるように、生産される地域に密着したもの。生活風土の必要性から需要があり、生産されていたもののうち、品質の確かなもの、商業的に成功したものが広く広まりました。
その代表的なものはやはり、ハリスツイードといわざるをえません。独特の重量感、その生地の風合い、検査機関であるハリスツイード協会が認定したものだけに与えられる生地マークは信頼の証です。
ツイードの本来の意味は、手紡ぎの紡毛糸を手織りで綾織りに織った、英国スコットランド特産の綾織物のことをいいますが、現在ではざっくりとした太糸で織られた厚手でカントリー調の織物のことをすべてツイードと呼ぶことが多くなっています。
こういったハリスツイードやドネガルツイードなどアイリッシュツイードのような厚手な織物は、コート、ジャケットなどアウターとしての用途に向いた素材と思われがちですが、近頃ではウォームビズというようなエコな志向とも重なり、ベスト付きスリーピーススーツとしてご新調になる方も増えてきています。ツイードが英国生まれ、ブリティッシュ仕様なクラシックなモデルの人気が戻ってきており、加えてどうせなら、イギリス的にいうところのウエストコートを加えたベスト付きスリーピーススーツで、かっこ良く暖かくというところかも知れません。