年別アーカイブ: 2017年

ツイードがレディースウェアに取り入れられたキッカケ

もともとツイードは英国貴族が狩猟やフィッシングを楽しむ時に着用するジャケットだったので、メンズ用の認識だった。
1920年代にココ・シャネルが初めてレディースに取り入れました。
撚りが少なくふんわりと柔らかい生地で、女性らしさというものが感じられます。
ここから8年後の2928年に、「シャネルスーツ」が発表され大女優まで虜にしてしまうほど。
「活動的な女性のために作られた服」と表現されていて、美しいシルエットとジャケットから芯地と肩パッドを無くした。
コルセットでウエストを締め上げていて女性達は、そんな事をしなくても上品で活発に動けるシャネルスーツに引き込まれました。
ツイード素材の汎用性は高くジャケットやコートやバッグなど小物類まで。
独特な風合いを持っている生地ですのでとりあえず触り心地や重さなど確認してみましょう!

アウトドアスポーツを楽しむ為のツイードジャケット

英国でのスポーツとは乗馬や釣りのようなアウトドアまで含まれていて、それを楽しむ為のジャケットがスポーツジャケット
長年英国紳士に愛されてきた。
ゲーム用のポケットや風を凌ぐための襟やライフルを乗せるための補強用パッチなど。
機能的でアウトドアに適したデザインとなっていて、その仕様は時代と共に変化している箇所もありますが、丈夫なツイード素材が多く使われています。
一口にスポーツジャケットといっても用途によって分けられ、
カントリースポーツに役立つディテールが施された「ノーフォークジャケット」
乗馬に特化した「ハッキングジャケット」
狩猟時に特化した「シューティングジャケット」
襟や袖裾のカフスが特徴の「サファリジャケット」など。
このようにシーンに合わせた機能的なデザインや起源を追っていくとさらにお洒落や着こなしが楽しくなる!

ハリスツイードだけじゃない、魅力的なツイード素材ブランド

ツイード素材といえばハリスツイードが王道的な存在になっていますが、同じ英国製でも薄くて軽いアブラハム・ムーンのツイードもオススメ。
イギリスではフレッドペリーなど有名ブランドとコラボしたりしています。
350g~375gとハリスツイードと比べると重くなく、コートとして仕立てても丁度良いウェイトになります。
ハリスツイードではちょっと重いと感じる方は、MOONのような比較的軽いツイード素材がピッタリだと思います。
ツイード素材でありながら滑らかな表情も持ち合わせた生地はなかなか面白い。
創業当時から一貫生産に拘り、染色から織り仕上げまで自家工場で行っています。
創業者の死後もその精神が向け継がれていて高い品質を維持し、守られているのです。

岩手と英国のホームスパン

ツイード素材で定番の柄といえばヘリンボーンやホームスパンやタータンチェックなどありますが、これ実は全てホームスパン(homespun)なのです。
手回しで糸を作り紡ぐ織物で、英国では伝統が継承されておらず、東北・岩手で唯一引き継がれているという事実を知って頂きたい。
国産ホームスパンは花巻市で作られています。これは驚き。
本場の英国でも産業革命以降は用いられなくなった手法を使って糸を紡ぎ手織りで生産しています。
ツイードといえばハリスとなっていますが、ホームスパンといえば岩手県花巻市も忘れてはいけません。
そういえば何故ハリスツイードはこんなにも知名度が高いのでしょうか?
これはハリスツイードに似た商品が大量に市場に出回ったことで認知され、スコットランドも持つ自然や背景など雰囲気が相まってブランド化されていったのでしょう。
その地域性こそが魅力に繋がったのです。

荒天で発揮するハリスツイードジャケットの強さ

染色から紡績まで行っているアウター・ヘブリディーズ諸島のガイドブックには「1日に四季がある」と書かれている。
晴れだと思えば暴風雨となって風が強かったり。
ハリスツイードのジャケットはそんな荒天で真の強さを発揮するのだろう。
重厚感があり雨風を凌ぐには十分な耐久性と暖かさ、そしてカントリーに良く馴染む独特な色合いがある。
英国のジェントルマンが乗馬やゴルフやハンティングを楽しむときにツイードジャケットを着ている光景を想像すると、なんとも素晴らしい風景が広がります。
ルイス島にはハリスツイード製品の直売店があるそうで、是非行ってみたいですね!

ハリスツイードの生地ネームコレクション

ハリスツイードの生地ネームはその他と比べて大きく存在感があります。
そこに注目してみました。
1940年代はグレーやブラウン系統が主の単色ミックス。
1950年代には各国に輸出されデンマーク製のハリスツイードタグなど珍しく現存数が大変少ないので希少となっています。
1960年代は全盛期で世界中に輸出され豊富なデザインやカラーで彩られています。
1970年代にはアメリカショップの限定タグも作られコレクターには興味深い頃です。
1980年代にはライトウェイとが誕生し現在へと繋がっています。
こういったタグについてはハリスツイード協会が定めたハリスツイード法(1993年法)によって保護されています。
「HARRIS TWEEDの名前」「オーブのマーク」「筆記体の書式で書かれたHARRIS TWEEDの文字とマークの組み合わせ」
この3つがブランドの要素で、HARRIS TWEEDと呼ぶことが出来るのはスコットランドのアウター・ヘブリディーズ諸島で島民が現地で手織りし同諸島で仕上げられたモノしか認められていません。

ツイードと呼ばれているのは英国商人の勘違いから!?

この時期になるとツイード素材「ハリスツイード」や「ドネガルツイード」「シェリーツイード」を身にまとって寒さを感じずに過ごしたくなる。
ツイードとはイングランドとスコットランドの境界を流れる川の名称で、当時の英国商人が勘違いしたことから付きました。
ツイード革はサーモン漁を目当てに国内外から釣り人がやってくるのですが、非常に難所として知られ腕の立つ人でも1日に2匹ほどしか釣れないそうです。
イギリスでは釣りの解禁日に釣りを楽しむといった伝統があり、そこでツイードジャケットと蝶ネクタイをしめて行う。
釣りを正装で楽しむなんてまさに英国紳士っぽくて格好が良いですよね!
狩猟やサイクリングなどアウトドアスポーツに相応しい自然な色柄が、スコットランドの風景に重なるところを想像すると美しい。

ツイード素材の油分が生み出す撥水性

ハリスツイードは原始的な手織りで作られているので油分が含まれていて、撥水性があります。
ウールでも糸を紡いだ段階では油分が残っているのですが、通常は紡績の段階で脱脂を行っています。
カジュアルジャケットやロングジャケットやコートなどに適している所以です。
10年20年と着用することが出来るほど耐久性に優れていて親から子へと受け継がれることも多くあります。
使っているうちに表地よりも先に内側の裏地が傷んでしまいますので、張替えをしなければいけないのですが、そこで雰囲気を変える柄にするとより愉しめると思います。

ツイード素材のスーツを着用してサイクリングするTweed Run

エコや結構思考が高まっている昨今、自転車や本格的なロードバイクに乗っている人が本当に多くなったと思います。
自転車の交通マナー問題を取り上げ、安全に走行することを広め、街を走る楽しさを発信していくという目的で2009年にイギリス・ロンドンで始まったツイード・ラン
2017年は東京の10月22日、名古屋の11月18日に開催されます。
様々なツイード素材のスーツを見るだけでも心がウキウキします。
ドレスコードは上下ツイード素材でなければいけない訳ではなく、服装のどこか一点に取り入れればいいので高額な衣装代が掛かる事もありません。
自転車にしても競輪選手のような自転車だったり、折り畳み式だったり。
なんともお洒落でユニークはイベントとなっています!

英国カントリージェントルマンに愛用されたツイードジャケット

日本にツイードが広まったのは大正時代のことで、柳宗悦が始めた民芸運動が発端となった。
友人の香港生まれのイギリス人バーナード・リーチから英国に生活のほとんどを田舎で暮らすカントリージェントルマンの存在を知る。
そしてそこで彼らが愛用しているツイードジャケットに興味を持ち、民芸運動の仲間たちに勧めたのである。
日本橋の丸善書店と交渉、ツイード地の輸入が始まり、ついにスリーピースのツイードスーツが出来上がった。
ハリスツイードなのかドネガルツイードなのかシェットランドツイード、どの生地だったのでしょうか。
ちなみに「民藝」とは柳らが職人の手から日常の生活用具と名付け「美は生活の中にある」とのこと。
手間暇かけた手仕事から工業化が進み近代化になっていく容易な流れを継承を鳴らし、民芸活動を通して伝え追求していったのです。