この時期になるとツイード素材「ハリスツイード」や「ドネガルツイード」「シェリーツイード」を身にまとって寒さを感じずに過ごしたくなる。
ツイードとはイングランドとスコットランドの境界を流れる川の名称で、当時の英国商人が勘違いしたことから付きました。
ツイード革はサーモン漁を目当てに国内外から釣り人がやってくるのですが、非常に難所として知られ腕の立つ人でも1日に2匹ほどしか釣れないそうです。
イギリスでは釣りの解禁日に釣りを楽しむといった伝統があり、そこでツイードジャケットと蝶ネクタイをしめて行う。
釣りを正装で楽しむなんてまさに英国紳士っぽくて格好が良いですよね!
狩猟やサイクリングなどアウトドアスポーツに相応しい自然な色柄が、スコットランドの風景に重なるところを想像すると美しい。
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ネップの入ったドネガルツイード
ツイード生地として代表的なハリスツイードと並びドネガルツイードも同様に人気が高い。
ハリスツイード・シェットランドツイード・チェビオットツイードそしてドネガルツイードは4大ツイードとsて世界に名が通っている。
アイルランド北西部のドニゴール州で生産され、ネップと呼ばれる小さな糸の塊のが特徴的。
この記事に使用されるブラックフェイスという羊は生産量やマーケットにおいても重要で、
かつてはスコットランドの羊毛の半分以上、英国全体の8分の1を占めていた程であります。
誤表記から生まれたtweed
ハリスツイードやシェリーツイードやドネガルツイードは冬の定番生地ですが、実はツイードとは綾織を指すツイルが語源なのです。
ではどのようにしてツイルがツイードに変わってしまったのでしょうか?
1830年にロンドンの商人がホイック地方の企業から手紙を受け取り、その内容はスコットランドの生地として商標登録した方が余韻ではないか?という物でした。
ここでロンドン商人が誤表記をしていまい「tweel」を「tweed」に間違えて、この名前になった訳です。
それからホイック地方では今のツイードの織物工場が稼働しているのです。
ホイック地方はスコットランドとイングランドの境にあり、スコットランドの中でも北のハイランドのような荒々しさとは違い
魚が豊富で豊かな自然に囲まれた穏やかな地域です。
サマーツイードジャケットの裏仕立てを広見返しにしてみる
一言でツイードと聞くと秋冬シーズンのイメージがありますよね
今の季節ではツイードラン用やカジュアル用として着ている方を良く見かけると思います。
ジャケットやスラックス以外にも帽子やグローブやブーツ等にも使われています。
そして盛夏用ジャケットとしてサマーツイードがあります。
暑い陽気な時期にサラリと着る事が出来て、ザックリした凹凸感のある生地感がサマーツイードの大きな特徴です。
春夏向きのジャケットの裏仕立てに広見返しという作り方があります。
胴裏部分の裏地を全て表生地と同じで素材で作る為に、通気性の優れた素材で作った広見返しは春夏シーズンに効果的です。
サマーツイードジャケットで広見返し、盛夏用ジャケットとしてこの上ない組み合わせでしょう。
ライトツイードのジャケットは長いシーズン着られる
夏にはサマーツイード、冬には目が詰まった織りで重めのツイードが注目される事が多い。
ライトツイードは生地1mあたりの目付けが約350gと、ツイード素材としては軽め。
ツイードの風合いはそのままで、重厚になり過ぎない、都会的で着用するツイードとしては良いバランスを保っている。
春秋冬と長いシーズン着用できるジャケット生地として人気です。
ツイード地は、その重さから敬遠される方もいらっしゃるようですが、ライトツイードであれば半コートやコートでもあまり重さを感じずに着用できる。
さらに、生地が軽めなので、お仕事用のスーツとしても、カジュアルジャケットとしても最適です。
ざっくりとしたジャケットと組み合わせるパンツ地としても、良い味を出してくれる。
ツイードジャケットの腰ポケットや胸ポケットを別生地で作る
ツイードで仕立てられたカントリージャケットで良く見られるデザインがエルボーパッチやガンパッチ。
元々は狩猟用のジャケットなので、銃を置く時のクッションとして考えられたデザインで、エクセーヌ等で作られる事が多いです。
ジャケットと同じ生地だったり、同じツイード生地でも異なる色柄の生地で作ったりとパターンは豊富。
さらに思い切って前身頃、後身頃、袖をそのような生地に取り替えても攻めたカジュアルお洒落を楽しめる事でしょう。
このような場合は生地分だけ生地代金が掛かってしまうのですが、
腰ポケットや胸ポケットなどをスエードや別のツイード生地で作ってワンポイントのお洒落になりますね。
ツイード地とお揃いの小物
10月になり、寒さが身に染みる季節になってきましたね。
衣替えが始まり秋冬物のジャケット、パンツ、コート、小物などタンスやクローゼットの雰囲気がガラリと変わるでしょう。
ツイード素材の小物なんかお洒落で暖かい、活躍するアイテムだと思います。
ハリスツイードならでは多種多様な色柄は、見ているだけで楽しくなりますし、ワンポイント使いにも最適です。
イヤーマフ何かは上品なツイード素材だから、子供っぽさがなくなり、大人の落ち着きが漂います。
帽子にもツイード素材、寒さが厳しい日には、その暖かい生地に有り難みを感じるでしょう。
小さなポーチなんかもおススメで記念日やお祝いなど、大切な人への贈り物としても喜ばれそうです。
スーツを仕立てた時の余った布程度で作る事が出来るので、色柄お揃いで統一感が出て、いっそうお洒落感が増しますね。
世界三大ツイードで仕立てる
一口にツイードと言っても、スーツ地同様に様々は色柄や重さがあります。
まず言わずとも知れたツイードの代表は、スコットランド産のハリスツイードですね。
古くから手織りで作業しており、布は暑く・ザックリとした生地。
あえて染める事が出来ない死毛や極端に短い毛が混ざる事で、野趣あふれる独特な風合いと自然な色合いが特徴です。
アイルランド北西部のドニゴール州産のドネガルツイードも、有名なツイードですね。
カラーネップが用いられる為に、あちこちに色んな色の斑点が出ます
三つ目はスコットランド北方に生息するシェットランド種の羊毛から織られた、シェットランドツイードです。
寒暖差により細い毛と粗い毛が混ざったふんわりとしていて軽い感じがする生地です。
一口にツイードと言っても、産地によって色んな特徴があるのです。
本当に色んな生地があって迷ってしまうと思いますが、そこが楽しみでもありますよね。
定番のヘリンボーンやタータンチェック、ピンヘッドチェックなどなど
冬には欠かせないツイード生地で暖かく、そしてお洒落に外出を楽しんではいかがでしょうか
サマーツイードで仕立てる春夏ジャケット。
ツイードは春夏シーズンのものばかりでもなく、イタリア服地で有名なカノニコには、定番のサマーツイードがあります。このサマーツイードは、バスケット織りとか、ホップサックツイードとか言われるざっくりとした織りがされており、見た目にも涼しげで、通気も良いので春夏シーズンに羽織る感じのジャケットにはとてもおすすめ。
ネイビーやグレーのビジネスに適した色柄のもので仕立てられたジャケットなら、クールビズといわれるようなパンツでいることが多いシーズンにも便利で、使い回しの効くアイテムです。
ホップサックツイードといわれる理由は、その昔ビールの原料とされるホップを運搬するのに使用されていた麻袋の織りが、このバスケット調だったため、そのままツイード服地の名前とされています。
ビジネスに向いたネイビー、グレーには濃淡の各種、そのほかオレンジやグリーンなどというカラフルな色柄での展開も人気で、白色ジャケットなど夏にはまぶしいほどな鮮やかさ。ボトムスにはどんな色、素材のものを合わせても爽やかで涼しげです。
凹凸感のある生地表面は、夏らしく、秋冬シーズンには少ない金属的な光沢感が涼しげなのと、ざっくり織り感があるのは、薄地なためのシワの心配を軽減してくれます。
長持ちするハリスツイードジャケット
どちらかと言えば昔のように丈夫さや耐久性よりも、そのクラシックで素朴なファッション感覚と、着ていて暖かな防寒着として人気が高く、ツイードジャケットならハリスツイードとお選びいただくことが多いツイード服地だと思うのですが、丈夫にするために堅い毛質の羊毛を選んで織られ、その加工の過程においても、外衣としての工夫をされたハリスツイードは、やはりその耐久性の高さから、長持ちする素材。
長い間ご愛用いただく間に、体型の変化から寸法調整の必要があったり、またエルボーパッチを後付けしてみたり、ポケットを切りポケットからアウトポケットに変更してみたりなど、デザイン変更もしたくなります。
トラッドスーツとハリスツイードを代表とするツイード服地との相性も良く、根強い人気のあるアメリカントラディショナルモデル、アイビースーツも現代仕様に少しずつ形を変化させてはいるものの、流行を問わないもの同士。
オーダースーツ店としては、耐久素材というよりは、ジャケットのシルエット、デザイン重視な街着的トップスのひとつとしてご愛用いただきたいツイードジャケットですが、高い耐久性を持つということは、同じ3年としてもより良い状態でご着用いただくことができるということになります。